利他の心 [エッセイ]
毎年知人から海峡花火大会の協賛席を分けてもらう。今年は子供が友達と行くことになったのだが、帰りの混雑を回避して、速やかに子ども達を帰宅させるために、日ごろの罪滅ぼしをかねて、近くで花火大会が終わるまで待機することになった。
はなから花火見物は二の次なので、花火の絶景ポイントではない岸壁の適当なところを見つけ、折からの猛暑の中、三脚を準備して、陽の沈むのを見ていた。
「ここから花火が見えますか」、一人の父親らしき男性が近づいてきた。家族のためのベストポイントを探しているのだろう。いつもオヤジは家族のためにけなげである。
「下関の花火は見えると思いますが、門司側の花火はあっちの方向ですから建物の陰になって見えないと思いますよ」とこたえた。
しばらくすると、その男性が家族を連れて住人の隣にシートを敷き始めた。
男の子二人と、3歳前後だろうか小さな女の子とその母親のようである。
住人も経験があるのだが、子供が小さい時はベストポジションとは子供がごねだしたり早く帰ろうとなったときに動きが取れるところであり、ベストビューポイントである必要はない。
しばらくするとお兄ちゃんたちと、お父さんは他の場所を探索しに行ったのか母親と女の子だけが残った。
人みしりの住人は一人海を眺めていると、ちょこちょこと女の子が近寄って来て、「ハイ」とキャンディを勧めてくれた。
「わー、ありがとうネ」と言いながらも「ごめんね、おじちゃん(心は青年のつもりだが・・・)なにもお返しするものモッテないんよ・・」
母親が差し向けたのは間違いが、むろん最初から見返りなど期待してないだろう。
引越し蕎麦的な、「ご迷惑おかけするかもしれませんが宜しくお願いします」的なご挨拶だったのかもしれないが、そうすればとなりのおじちゃんが喜ぶだろうというのが、動機であることは間違いないだろう。
いずれにしてもこういうサプライズなご厚意は嬉しいものである。
母親に目をやると、しっかりした聡明な顔つきで微笑んでいる。
近年、自分が楽しむことを第一に考えて、お正月やクリスマスパーティーをする主婦もいると聞くが、
「あ、この家族は大丈夫、きっとこの子供たちも立派な人間になる」と、とっさに確信した(誠に勝手で大きなお世話でるが)。
いずれにせよ、今日、このような交流が少なくなってきたように感じる。
E-ライン・ビューティフル大賞は剛力彩芽さん [歯の話]
日本成人矯正歯科学会・第21回大会が6月23日に学術総合センター及び学士会館にて開催された。大会長は武内豊氏、メインテーマは、「長寿と矯正治療を考える~求められる矯正歯科治療とは~」。
懇親会前には恒例のE-ライン・ビューティフル大賞授賞式も行われ、2013年度は女優の剛力彩芽さんが授賞した。選考基準は、1)歯並びのよい、プロフィールの美しい日本女性であること、2)心身ともに健全であり、総合的なプロポーションもバランスが取れていること、3)幅広く活躍する著名人であること、など。
剛力彩芽さんは現在、NHKの大河ドラマ「八重の桜」に出演中で、女性タレント1000人の中から選ばれた。
日本成人矯正歯科学会のホームページ
http://www.ikeipress.jp/archives/6123
歯科 News & Topics | DENTAL VISIONより引用
噛み合わせが人生を変える [お勧めの1冊]
脳や胃腸と同様に、歯も立派な「臓器」です。しかし、大切な臓器を「1本くらい失っても問題ない」と思い込んでいる人が多いのではないでしょうか。
歯を失って満足に噛めなくなると、肩こり・腰痛・不眠症・うつなどの不調や、メタボリック症候群、運動障害、脳梗塞や認知症などを招きやすくなります。逆に、正しい噛み合わせで十分な咀嚼ができる人は、いつまでも元気で若々しい生活を謳歌することができます。
本書では、お口の健康を保つことでいきいきとした人生を手に入れる「健口長寿」の実践法をご紹介します。
噛み合わせが人生を変える
日本顎咬合学会 (著)
小学館 (2013/6/3)
本当に聞きたい! インプラントの話 [お勧めの1冊]
今までもインプラントに関するお話を当ブログに書かせていただきましたが、今回お勧めする書籍はこれからインプラント治療をお考えの方にはぜひお勧めの一冊です。
今まで住人が、当ブログで申し上げたこととかなり重複しますが、大学教授の著作ですから説得力があるのではないでしょうか。
「出身大学、歯科医師の肩書だけで、信頼に足る歯科医師を見つけることは不可能だろうと思われます。当然、私のような「大学教授」も、信頼に足る肩書ではないのかもしれません。」
と、権威主義を否定しているあたり、逆に信頼してよいと思います。
インプラントのダンピングが行われはじめている現在、なぜそのような安い値段でインプラント治療ができるのか、疑問を呈してもいます。
また、一方でインプラント治療のトラブル報道でネガティブキャンペーンをはっておきながら、もう一方では、最新治療と称して学会等ではコンセンサスの得られていない、治療法を紹介し、名医を紹介するという名目で、正義の味方のふりをして、高額の掲載料を歯科医師から巻き上げてムック本と称する広告雑誌を作り、読者からも うん千円のお金をとって暴利をむさぼる、新聞社系出版社の商法と儲けのカラクリ、マスコミの姿勢にも疑問を呈しています。
住人の知る限り、名医ほどマスコミに露出しませんし、まして、お金を払ってまで広告(書籍、テレビCM、ネット、etc)しません。目の前の患者さんに日々真面目にコツコツ向き合うことでいっぱいいっぱいで、広告してまで集客しようとは考えていないのです。
患者さんの立場からすると、それら(書籍、テレビCM、ネット、etc)に出てこない歯科医はこの世に存在しないも同然です。患者さんが本当に知りたい名医はひっそりと仕事をし、目立ちたい者ばかりがメディアに露出するという、痛し痒しな面もありますが、その事実をまず理解すべきでしょう。
インプラント治療をお考えの方はもちろんですが、インプラント治療をお考えでない方でも、今どきの世の中のカラクリを考察する上でお勧めの書籍だと思います。
800円ですので、今すぐアマゾンで注文してご一読してから、歯科医院のドアを開けてください。
歯科大教授が明かす 本当に聞きたい! インプラントの話 角川SSC新書
矢島 安朝 (著)
角川マガジンズ(角川グループパブリッシング) (2013/3/9)
「患者さま」という呼び方 [歯の話]
2003年の全国規模の患者調査において①医療施設での名前の好ましい呼ばれ方、②医療機関で「~さま」や「患者さま」と呼ばれることに対する印象、の2点を聞きました。
その結果、好ましい呼ばれ方としては、「~さん」が75%でもっとも多く、「患者さま」を好ましいと回答したのはわずか8%にとどまりました(図1)。また、「患者さま」という呼び方に対する印象は、「お客として大切にされている」24%、「患者の権利を大事にしてくれている」17%と肯定的に評価する一方で、「不自然な印象がする」32%、「医療にそぐわない」19%と否定的な評価もあらわれました。
この結果から、「患者さま」という呼び方は、一部の人には受け入れられているようですが、多くの患者に受け入れられているとはいいがたいのがわかります(図2)。
では、なぜここ数年で「患者さま」という呼び方が急速に広まってきたのでしょうか。医療の商業化にともない、他の医療機関がそう呼んでいるからうちでも、というのが広まった要因ではないかと思われます。
先の調査結果では「医療機関は”患者さま”と呼ぶ前に患者に対する対応や態度を変えないといけない」と書き込んだ回答もありました。
ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2012 [歯の話]
11月8日(木)、マンダリンオリエンタル東京(東京都)において、ベストスマイル・オブ・ザ・イヤー2012授賞式(日本歯科医師会主催、大久保満男会長、株式会社ロッテ協賛)が開催されました。
本賞は、8020運動の一環として、毎年11月8日の“いい歯の日”に、もっとも笑顔が素敵な各界の文化人・著名人を対象に、全国約65,000名の日歯会員の投票によって表彰するものです。19回目となる今年の“著名人部門”では、剛力彩芽さん(女優)、スギちゃん(バラエティタレント)が表彰されました。
芸能人だけでなく、あなたの笑顔もPrice lessです。
歯科医はその笑顔作りのお手伝いができると住人は自負しております。
高校講座 [優れもの]
テレビ番組の内容の無さを嘆いているのは住人だけではないと思います。(馬寄村は 福岡と山口の地上波が届いているが、福岡の局に比べ、、山口の放送局はキー局頼みでなく、しっかりした地元番組を作っていることもあるし、福岡の局も深夜にはしっかりしたドキュメンタリー番組などあるにはあるが)どの地上波のチャンネルも同じような製作費のかかっていない、お笑い芸人の番組やワイドショーばかりです。
政治番組やニュースを見ていても、最近の世情は空しくなるばかりです。
BsやCsにしてもサプリメントなどのCMが延々時間を割いており、番組も再放送ばかりで退屈してしまいます。
まあ、長期の不況下で広告収入が激減しているテレビ業界ではこれ以上のものを期待する方が無理かもしれません。
ところで、昔から住人は NHKの教育テレビがお気に入りでした。でも、どうしてもお堅い感じは否めませんでした。
第一面白くなかった。
しかしながら、最近は変わりました。
構成も工夫しているし、出演者も依然と比べてあか抜けしています。
「今どきの若い人に分かりやすく物事を伝えるにはこういう工夫が必要なんだな」とうなりながら見ています。
特に住人が最近は待っているのが、高校講座ライブラリーです。
理由は、以上のような教育テレビの変化に加え、ネット配信してるのです。
地上波がテレビショッピングばかりの深夜など、「ちょっと見」するのに大変良いです。
もちろんCMはありませんし、しっかり作りこまれています。生物や地理、日本史など一度ご覧になってみてください。
自分の高校時代と、内容(たとえば、養鶏場でのヒヨコの雌雄の見分け方など、住人は今でも雛のお尻を見て鑑別しているものと思っていた)もかなり変わっており、世の中確実に変化しているのが判ります。
妊娠前後の歯科治療とお口のケアについて
妊娠出産は女性にしかできない大切なイベントです。色々と不安なことがおありだと思います。
くわえて、歯科治療となると、レントゲン検査、麻酔やお薬の胎児への影響や母乳への影響など不安なことが多いと思います。
そこで、よくある質問にお答えします。
Q 現在、妊娠3ヶ月です。歯の治療は大丈夫ですか?
A 「妊娠中の治療や薬の使用はこわい」「とりあえずお産をすませてから治療を受けたい」とお考えになる方が多いと思います。
しかしながら、現実問題として、授乳期は育児のため来院が困難になります。
本来は妊娠前に虫歯の治療を済ませておくべきですが、妊娠中の場合、できるだけ安定期(妊娠5~9ヵ月ころ)に行うことをお勧めしています。
Q レントゲンを撮っておなかの赤ちゃんに影響しませんか?
A 歯は、おなかから離れているのにくわえ、鉛のエプロンをしていただきますので、おなかの赤ちゃんが被爆する量は限りなくゼロに近いため、赤ちゃんへの影響はゼロに等しいことがわかっています。
Q 抗生物質などを服用しても赤ちゃんに影響しませんか?
A お薬や麻酔薬に添付されている文章には下図のように記載されています。
しかしながら、抗生物質であればペニシリン系やセフェム系を、鎮痛剤はカロナールなどが安全であるとの見解が産婦人科医師からだされております。
必要な場合は最小限使うことをお勧めしておりますが、どうしても心配であれば服用や治療を
あきらめざるを得ません。
出産後で、どうしても心配な場合は、授乳直後に服用するか就寝前に服用すればより安心です。
最後まで口の機能に働きかける [歯の話]
新潟大学歯学部が行ったこんな実験があります。
経管(腸)栄養を受けている高齢者を2グループに分けて、ひとつのグループにだけ、ゼラチンゼリーを口から食べてもらいました。ゼリーは週に一度40㏄だけです。
3年経過を見てゆくと、ゼリーを食べないグループは、一人で平均年間6~7回肺炎を起こしていました。3年間に亡くなる人も出てきました。
一方、ゼリーを食べているグループでは、肺炎を起こす回数が平均2回、ゼリーを食べていないグループと大きな差が出ました。肺炎で亡くなる人の数も、食べていないグループよりはるかに少数です。
この違いは何を物語っているのでしょうか。
日本訪問歯科協会 (監修)
創元社 (2004/01)
P114
舌の思いで [エッセイ]
住人は食べ物の好き嫌いがほぼない。というよりも、口に入るものであれば、昆虫などのゲテモノのたぐいを除けば何でも食べる方である。
とくに、アルコールと糖分と動物性タンパク質そして粉物は好物である。
たまに天神などに行くと、
年甲斐もなくデパ地下のショーウィンドウにはり付いて、おしゃれなケーキを目で楽しんだり、
浄水通りあたりののショップに出向いたりする。
一時期、石村萬盛堂が郊外展開している「いしむら」で飲み放題のコーヒーを頂きながら、食べたいケーキをはしごするというのが我が家のマイブームであったことがある。
さて、
我が家は言うまでもなく、父方も母方も高貴な出ではないので、住人の小さなころからの甘味といえばいわゆる田舎のスウィーツであった。
例えば、ぼたもち、ぜんざい。
それぞれの言葉の定義はいろいろあるだろうが、
住人の中での定義は小豆の形をとどめたものが「ぼたもち、ぜんざい」であり、こしあんが「おはぎ、おしるこ」である。
震災と歯科医の活動 [エッセイ]
あの震災から、はや一年以上もたちました。
マスコミは日食やスカイツリーはにぎやかに報道しますが、震災報道はめっきり少なくなり、フクシマの総括がされることなしに、原子力発電が再開されようとしています。
日本人の心の中で、明らかに風化しつつあるように思われます。
当時日本人の「絆」、利他の精神が評価されていましたが、古き良き日本の心をもったのは東北の人たちに限定されたことだったようです。
たかだかがれきの受け入れさえままならないのが、現在の日本人です。
北九州市は公害克服とエコで世界に名前を売ろうとしている都市ですから、高い技術レベルで、がれき処理をやってのけてほしいものです。
福島の人の辛苦を考えたら、すこしでも、痛みを分かち合いたいものです。
さて、 今回は完全に他人のふんどしです。
事件や航空機事故では,、その身元確認には、同業の歯科医師が尽力しています。
今回の震災でも、歯科医師の先生方が震災にかかわりました。
その様子が、
NHK総合:6月3日(日) 午前10時35分 ~ 午前11時18分
「明日へ~支えあおう~」
きみは確かにそこにいた ~歯科医師たちの身元確認~
が放映されます。
ぜひご覧になっていただきたいと思います。
「オーラルケア」で女子力アップ [歯の話]
「オーラルケア」で女子力アップ~口元のキレイから全身のキレイへ~
メールマガジン『クイント』第554号 より引用
さる5月9日(水)、よみうりホール(東京都)において、「2012年歯の健康シンポジウム」(日本歯科医師会主催、パナソニック株式会社協賛)が「『オーラルケア』で女子力アップ~口元のキレイから全身のキレイへ~」をテーマに開催された。
会場では、中村宣夫氏(日本歯科医師会理事)の主催者挨拶に続き、基調講演「キレイになる噛み方」(宝田恭子氏、東京都開業)、「正しいブラッシング教室」(北原文子氏、歯科衛生士)、テレビ朝日系番組「BeauTV~VOCE公開収録」が行われた。
宝田氏は、「口腔とアンチエイジングのつながりに気づいたきっかけは患者さん。実年齢は80歳なのに40歳の口元の方がいらっしゃった」と語り、つねに正しい姿勢を心がけゆっくりと噛むことが口元のアンチエイジングにつながると述べた。また、正しい姿勢を維持するには背筋、太もも、ふくらはぎの筋肉を鍛えることが有効であることから、それらの筋肉を鍛える簡単なエクササイズが来場した若い女性とともに行われた。北原氏は音波ブラシの正しい使い方を実演した。
「BeauTV~VOCE」の公開収録では、番組MCとして道端ジェシカさん(モデル)、ゲストとして植松晃士さん(ファッションプロデューサー)と宝田氏が番組セットに登場。美と口元の健康をテーマにトークが繰り広げられた。
なお本番組は6月8日(金)深夜1時50分からテレビ朝日系列で放送予定とのこと。
歯周病治療で肝機能改善 [歯の話]
飲酒しない人も発症する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者が歯周病菌を保有する割合は健康な人の約4倍と高く、歯周病の治療で肝機能が大幅に改善することを22日までに、横浜市立大や大阪大などの研究チームが突き止めた。
研究チームによると、歯周病と心臓病や脳卒中との関連は指摘されているが肝炎では初めて。チーム長の中島淳(なかじま・あつし)横浜市立大教授(消化器内科)は「脂肪肝の人は肝炎に進行させないように、口腔(こうくう)内を衛生に保つことが大切だ」と話している。
おおつごもり [エッセイ]
2012年の大河ドラマは「平清盛」だそうです。
祇園精舎の鐘の声 諸行無常の響きあり・・・
言うまでもなく、平家物語の書き出しの一節ですが、 2月にニュージーランドで地震が起きた際 その後日本で起きることをどれだけの人が予想できたでしょう。
ただただ、人間の無力さと世の中の無常を思い知らされた1年でした。
Cool Japan Cool 田舎 -IT系野人への誘いー [エッセイ]
まもなく防災の日が来ます。
受験で上京したとき東京駅に降り立った瞬間から、「東京」によどんだ空気というか多少の違和感を感じていた。先に大学に進学した親友に東京を案内してもらい、受験をしながら数日間 半蔵門ちかくのふくおか会館で過ごしたのだが、そのとき住人は、東京は遊びに行くとこであり、住むのは住人には向かない」と感じた。
以来、学会などで、上京する機会があるが、エリアが広すぎること、人が多すぎることなど、むっとする様な熱気など住人には今でも向かないと思っている。
先日、「関東大震災」 吉村 昭 (著)を読んだ。
この本を読んで、完全に理解したうえで首都圏に住むのは当然個人の自由であると同時に、自己責任であろう。国が何もしてくれないことは今回の震災でよく理解できたはずだからである。
消防力、火災、ライフラインの断絶による2次的被害、情報の寸断、流言による人心の錯乱は、江戸時代より水道などの科学技術、文明の進歩した大正時代のほうが被害が甚大であったそうである。平成の時代に同程度の地震が起こったらと、考えると、住人が心配性なのかもしれないが、背筋が寒くなるどころではない。
住人には住めないと確信した。
震災はいつか来るだろう。来たら大変なことになるとうすうす気づきながら、誰も何も言い出さないのは 原子力村の思考とまったく同じような気がする。
言葉 [エッセイ]
住人は外国語は言うに及ばず、日本語すら自信が無い。学生の時分、国語は苦手教科であり、いまでも劣等感を持っている。(いきなり余談だが、卒業直後の医局時代にJICAのアフリカからの研修生の英語が聞き取れず、pardon(すみませんがもう一度お願いします)を連発し、白眼視された。 来日する台湾や韓国の歯科医は英語はペラだし、住人の英語力と同程度の日本語がしゃべれる臨床家が多い)
「目は口ほどにものを言う」といわれている。確かにそう思う。目はその人の心が映し出されていて、言葉よりもうそをつけないように思う。我が家の駄犬の目は本当に美しい。きっと心は美しいと確信する。でも犬である。
目が美しければそれでよいかというと、そうでもないようである。言葉もその人の内面の表出であると思う。
とっさの一言にその人間の本性が出ることがある。言葉を発するということもその人の常識、知性、感性、思考法、価値観、品格、コミュニケーション能力等々内面がほとばしり出ることであり、大変恐ろしいことであると思う。
住人の内面が至らないのは 不徳と今までの精進が足りないので、それを取り繕っても仕方ないのだが、内面が出るゆえに「言葉を発する」という行為は恐ろしい。
アトムの力 [エッセイ]
住人の父は大正最後の年に生まれているので、門司の空襲を馬寄村から見ていたそうである。
甚だ不謹慎ではあるが、探照灯(サーチライト)に照らされながらも悠々と飛ぶB29と地上の高射砲のやり取りは、滑稽でもあり、綺麗でもあったそうである。
現状認識はある程度出来ていたにもかかわらず、なんとなく大丈夫だろうと、国力の違いすぎる、米国の誘いに乗って、戦争に走ってしまった当時と昨今の原発に関する状況は非常に似てるように思えます。
北九州市の中心、市役所や勝山公園のあるあたり(KBCテレビ アサデスのライブカメラから見た小倉城方向)がなぜ、近年まで広大な敷地が残っていたかご存知の方は少なくなりつつあるのではないでしょうか。(余談ではあるが、住人が子どものころには現在の市役所の場所にはジェットコースターがあったように記憶している)
実は小倉は軍都で小倉陸軍造兵廠という軍需工場があったです。
長崎に落ちた原爆は小倉の小倉陸軍造兵廠に落す予定だった事は 北九州市民であればご存知の方も多いと思います。
もし長崎でなく、小倉に原爆が落ちていたら自分はこの世に存在していないかもしれません。
長崎や広島で原爆の被害に遭われた方のことを思うと、その無念さを想うと、もう過ちを繰り返してはいけないでしょう。
しかしながら、今回の原発の被害を遭われた方には同じような苦しみを少なからず与えているのではないでしょうか。
もしそうなら、今を生きる我々は今、過去を生きた人のために、そして将来を生きる人のために、どう行動すべきなのでしょうか。
昭和初期の門司港駅
ぬか床 [エッセイ]
家庭菜園の真似事を始めて約5年、かねがね自分で育てたキュウリやナスを自家製のぬか床に漬けたい願望があったのだが、あさ漬の素に漬けたり、スーパーでぬか漬けを買って食べていた。
仕事柄、糠をかき混ぜたにおう手で仕事するわけにも行かず、どうしたものかと躊躇していたのである。
スーパーなどでファスナー付きのビニールのヌカ漬けセットや、糠、天然塩などを見て目を輝かせるダンナを見るに見かねて、糟糠の妻が「糠床の面倒を見てやってもよい」とのたまった。
山の神の気の変わらぬうちにと、ネットでホーローのヌカ漬け用容器とぬか床スタートセットを注文したのだが、本日それらが届いた。
ぬか床を維持するというのは、植物性乳酸菌という生き物を飼うことと同じで、温度、湿度、pH、酸素濃度等々、乳酸菌が喜ぶ環境を提供すれば、菌が繁殖し、おいしいぬか漬を返してくれるはず。そのためには科学的な知識より、その土地の昔のばあちゃんの智恵が必要です。
実は住人はサバのぬかみそ炊きが大好物である。ねっとりヌカが絡まったくらいの、できればタカの爪と山椒の実など入っていれば言うことなしである。自家製ぬかみそ炊きを食することができるのは何時になることだろう。
住人は嬉しくてうれしくてたまらないのだが、なにぶんぬか床の運命は家内の手の内にあるので、どうなることやらやら、やや心配である。
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すくすく子育て [歯の話]
NHKの教育テレビ、「すくすく子育て」で子どもの歯をテーマに放送(2010.7.16,ちなみに再放送は7.22)がありました。
講師の先生は 倉治ななえ(日本歯科大学附属病院臨床教授)先生です。
お子さんのむし歯、歯磨き、歯並びに関して興味がある方は下記HPをご参考ください。
>>> http://www.nhk.or.jp/sukusuku/program/theme0716.html
空海さん大ブレイクか? [見仏]
毎日、節電のうえに暑い日が続いています。ところが、仏像ファンにはさらに熱い夏になりそうです。
東京国立博物館 平成館(東京都台東区上野公園)で「空海と密教美術展」が平成23年7月20日(水)~9月25日(日)開催されるのです。
空海が中国から請来(しょうらい)した絵画、仏像、法具、教王護国寺(東寺)講堂諸像など、空海ゆかりの作品など、98.9%が国宝または重要文化財という、超レアーなイベントです。
住人の好きな、東寺の象に乗った 国宝「帝釈天騎象像」や水牛に乗った 国宝「大威徳明王騎牛像」も出演予定だそうです。
それにあわせてNHKでは、8月7日から3夜連続、空海の人生をたどる「空海 至宝と人生」
が放送予定だそうです。
高野山 奥の院
ハイリスクハイリターン再考 [エッセイ]
筋肉痛である。
毎年この時期、生垣の剪定を行なうのである。何故この時期かというと、植物の都合でなく、これから暑くなり、虫も増えるからというこちら(人間)の都合である。
(やっかいなものを残した親を恨みながら)「いっそ枯れてくれんかいな」とおもいながらバッサリいくのだが、密かな期待は毎年見事に裏切られる。
それにしても、生命力というのはすごいものである。
雑草(あくまでも人間の観点であるが)はむしってもむしっても生えてくると家内を嘆かせている。
なんと肥沃な国土であろう。
さて、巷では節電が叫ばれている。
宇宙から日本を眺めると、まさに不夜城のように明るいそうであるが、慣れとは恐ろしいもので、そのことに、自分を含め現代人は違和感を覚えていないようである。
同じものを視ているのでしょうか [エッセイ]
住人は大学に入るまで眼鏡をかけたことはありませんでした。
大学1年の夏休みに自動車免許を取りに行ったときに、試験会場で視力が足りないことを指摘され、あわててメガネをつくりに行きました。
視力はそれほど悪くないのですが、乱視が入っているということでした。
裸眼で月を見ると三日月が2個ダブって見えます。
悪いことばかりではありません。花の咲いたサクラの木を見ると、被写体深度の浅いメルヘンティックな写真のようにキレイに見えます。
メガネをかけてはじめて英語の辞書を引いた時の感動は今でも忘れません。
「ハー 他人はいままでこんなにスッキリ、クッキリ文字というものを見ていたのか・・・・・」
恩師の教え [エッセイ]
入学式のシーズンです。
住人は小学校から高校まで本当に先生に恵まれました。そして多くのことを教わりました。
特に、小学校の頃、担任の先生から、授業中に話が脱線して、いろいろな話をうかがいました(現在の教育指導要領にはまず載ってない内容でしょう)。
自分の母親のような先生から、戦争体験、昔の話、などいろいろなことから、
はさみの渡し方、電話のきり方、ヒトへの思いやり・・・人間としての生き方、マナーを躾けてもらいました。
生きることの大変さ、だけど人生の楽しさ・・・などを具体的な言葉でなくても、人柄やさりげない行動からにじみ出る雰囲気の中で教えて頂いたように思います。
転勤と歯医者選び―人を観る目― [エッセイ]
3月は転勤の季節です。我が家の患者さんでも、転勤になる患者さんがおられます。
サラリーマンにとって転勤は宿命であり、仕方のないことです。
折角、近所と仲良くなったのに、「秘密のケンミンSHOW」の東 京一郎夫婦のようにすぐ転勤になってしまうのはショックでしょう。
一方、転勤が多いため、近所づきあいが希薄になることは否めないでしょう。「折角親密になってもどうせ又転勤になるから・・・」、また、「旅の恥は掻き捨て・・・」とまでは思わなくとも「近所との関わりがわずらわしく、できれば関わりたくない」と思っている方もおられるかもしれません。この地方都市でさえ、町内会や子ども会などの地域コミュニティは昔に比べて壊れています。
そして歯医者さんとの付き合いも同様の事がいえるのではないでしょうか。
転勤先で、新しく歯医者を探し、受診するのはさぞかしストレスフルなことでしょう。住人など、初めての人と会うだけでもドキドキします。それが自分の口をさわられる歯科医と対面しないといけないのですから、お気持ちはお察しいたします。(「何処の歯医者も同じ」と割り切ったお考えの方も折られるかもしれませんが・・・)
どうしたら良いか解らないので、「転勤先の地域情報はお手軽なインターネットの口コミサイトで・・・」という方が多いのではないでしょうか。「北九州 おすすめ 歯科」などで検索したくなる気持ちはよく解ります。
患者と歯科医師の信頼関係 [歯の話]
一昨日の事である。お見えになる患者さんが、口を揃えたように「先生!、今日の朝のNHKの番組ご覧になりました?先生がいつも言われるように、咬み合せって本当に大切なんですね・・・」
来る患者、来る患者である。
住人の説明能力不足と不徳の致すところなのでしょうがないのですが、住人が長いこと説明してきたのに、ナカナカ信用していただけなかったことも、 NHKだと瞬時に信用していただけるのです。
ちょっとへこみます。
さて、
長年我が家とお付き合いくださっている、高齢のご婦人が今年に入ってメインテナンスにお見えにならなくなったので、ちょっと気にかかっていたら、先日アポイントの電話があり、お見えになった。
大腸癌を既に経験されている方であるが、年末のドックで、乳癌が見つかり、今年に入って右の胸を手術して退院してきたばかりだとの事、
義歯の調整をしながらお話をうかがっていると、リンパ節のひとつに転移が見つかったことも(本当の心の奥底までは計り知れないが)たいしたことでないように明るく話される。
「もうこの年になったら、何も怖い物はありません。」と完全に悟りのきわみに達した様子でお話くださった。
でも、 「右胸だとしたら、筋肉の加減などで、歯ブラシするのも大変でないですか」とお尋ねすると
「自分は手術前と変わらず手も上がるし、問題ない」との返事。
それに続いて、
「先生、私ね、お見舞いに来てくださった方からも言われるんだけど、いい先生に巡りあったのよ。大腸の方は大丈夫だけど、一応他も検査しておいたほうがいいと前の主治医の先生から言われて、言われるままにその日のうちにドックの予約して検査受けたの。そしたらね、しこりが見つかったのよ。
年末はちょっと忙しかったので、年明けてからの手術を受けたんだけど、今度の先生もとってもいい先生でね・・・。(どうやらイケメンらしい)」
お勧めの一冊No.17 [お勧めの1冊]
食卓の向こう側〈第13部〉命の入り口 心の出口 (西日本新聞ブックレット) [単行本]
西日本新聞社「食くらし」取材班 (著)
単行本: 111ページ
出版社: 西日本新聞社 (2010/07)
ISBN-10: 4816708162
ISBN-13: 978-4816708169
発売日: 2010/07
商品の寸法: 21 x 14.8 x 0.8 cm
以前、「食卓の向こう側〈第12部〉価格の向こう側 」西日本新聞社 (2009/09) をご紹介しましたが、その続編です。
今回は「噛むことは、生きること。」のサブタイトルが示すように、咀嚼をテーマに、健康や医療のあり方をともに考える内容であり、住人の仕事である、歯科と重なる分野です。
住人が当ブログで訴えてきたことととも重なる部分が多いと思います。
そして、何よりこの手の本にありがちな、科学的根拠のないセンセーショナルな内容(たとえば「竹炭が歯周病にいい」のような)の偏りがなく、歯科医院のCMになっている「名医特集」のような内容でもなく、記者の目線で綴られているのが好感をもてます。中国製の義歯など時代を反映した内容も盛り込まれております。
住人がいつも申し上げているように「絶対」正しいといった、絶対は存在しませんので、100%鵜呑みにされても困りますが、ワンコイン(500円)でこの情報は 健康志向の一般の方にとってかなり有益な書籍だと思います。
また、当ブログをご覧くださっている開業医の先生はもうご存知かもしれませんが、是非待合室に置かれることをおすすめします。 (この本売っても住人にはなんのバックもありませんが・・・)
【送料無料】食卓の向こう側(第13部) |
歯をまもる -金属の歯と白い歯- [歯の話]
あくまでも住人の価値観であることをお断りしておきますが、住人は今でも自分の奥歯を治療するのであれば、極端に目立つところは除いて、ゴールド(金合金)による治療を望みます。
見た目は確かに目立ちますが、ほどほどの、硬さ(軟らかさ)、残っている歯とののフィット感、何年間も錆びたり、変質したりしない安定性、どれをとってもゴールドに勝るものはないと思います。お口の中でジルコニアが20年後にどうなっているかは誰も知りませんが、ゴールドだとだいたい想像できます。
残念ながら保険で使用する金属(金銀パラジウム合金、以下「金パラ」)はゴールドの代用金属(本当は金がいいのだけれども高いので仕方なく用いている)です。
今回は現在起きていることをお話します。(決して高額な治療を勧めるつもりはありません)
日本はデフレにあえいでいますが、世界的に金属の値段などは高騰していることをご存知でしょうか。金はもちろんですが、車の触媒などとして利用されている希少金属のパラジウムも住人が開業した頃では考えられないような金額になっています。