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歯周病治療で肝機能改善 [歯の話]

 飲酒しない人も発症する非アルコール性脂肪肝炎(NASH)患者が歯周病菌を保有する割合は健康な人の約4倍と高く、歯周病の治療で肝機能が大幅に改善することを22日までに、横浜市立大や大阪大などの研究チームが突き止めた。

 研究チームによると、歯周病と心臓病や脳卒中との関連は指摘されているが肝炎では初めて。チーム長の中島淳(なかじま・あつし)横浜市立大教授(消化器内科)は「脂肪肝の人は肝炎に進行させないように、口腔(こうくう)内を衛生に保つことが大切だ」と話している。

IMG_0427 (Small).JPG呉市入船山公園

 NASHは成人男性の3人に1人程度とされる脂肪肝の人のうち、1~2割を占める。進行すると肝硬変や肝臓がんを引き起こし、肥満との関連が指摘されているが、発症メカニズムは解明されていない。
 研究チームがNASH患者102人の歯周病菌を調べたところ、保有率は52%で健康な人と比べて約3・9倍だった。また肥満状態のマウスに歯周病菌を投与すると、3カ月後に肝臓が平均約1・5倍に肥大化。肝炎が悪化するなどした。
 歯周病のNASH患者10人に歯石を除去したり抗生物質で歯茎の炎症を抑えたりして治療した結果、3カ月後には平均すると肝機能の数値がほぼ正常になった。
 研究成果は16日付英医学誌の電子版に掲載された。
※英医学誌はBMCガストロエンテロロジー

共同通信社 2月23日(木) 配信

 学生時代、病棟回診で、口腔外科の教授が、口の中の傷の治りの良さを評して、「常在菌 がうようよいる口や肛門の傷の治りが速いのは、一般の外科医からしてみると、理解できないことだろう」という節のことをおっしゃていたのを思い出しました。 (口はその出来上がる過程(発生)の特殊性から、他の臓器とは異なる免疫や感染防御の特殊性があるのだが、ここでは省きます)
無菌的な環境で手術することを躾けられてきた外科医としては、そもそもその手術の部位が汚染されているというのは理解に苦しむことを評したのだろう と解しています。

ことほど左様にお口の中は細菌に対する防御が発達しており、人間はその恩恵にあずかっています。
つまり、感染にたいする抵抗力の高い人の場合、少々歯磨きしなくても、問題が先鋭化しません。
しかしながら、やはり感染症であり、その事実を甘く見てはならない、ということを一般の医科の方から発信されだしているのですが、上記の報告記事もその1例でしょう。
歯周炎も 炎症 という病気の一種であり、病気である以上、罹らないにこしたことはないと思われます。

その解決策は意外と原始的であり、簡単すぎるので、これまた甘く見られ、実践するのは容易でないのですが、ズバリ「歯磨き」です。(電動歯ブラシや歯磨きペーストの薬効に頼る必要はありません)
お釈迦様の時代から、その重要性は指摘されていることが、 正法眼蔵にも記載されています。

いい大人が、自分の娘のような衛生士から自分の歯磨きの至らなさを指摘されるのは屈辱的なことかもしれません 。
しかしここは、自分の健康を思って言ってくれている、と思い直し、 虚心坦懐 餅は餅屋 に任せてみてはいかがでしょう。

>>> 口の中の健康は全身の健康につながっている
>>> アラフォーは歯周病も岐路です
>>> 定期健診(メインテナンス、SPT(Supportive Periodontal Therapy))ってなに?


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