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骨粗しょう症とビスホスホネート系薬剤 [歯の話]

 我が家にお見えになるご高齢の患者さんの多くは何かしら歯以外にも病気をお持ちで、病院にかかっていて、お薬をもらっています。
その中で、骨粗しょう症(こつそしょうしょう)も頻度の高い病気の一つです。

 骨粗鬆症とは、骨の量が減少し、骨が弱くなる病気です。治療では、ビスホスホネート(ビスフォスフォネート)系薬剤が頻繁に使用されます。骨粗しょう症でなくてもステロイドを服用している患者さんの中にはセットでこの薬を処方されている患者さんがおられますし、乳がんなどでも飲まれている方がおられます。
ビスホスホネート系薬剤を服用している患者さんは、抜歯、インプラント埋入手術、歯周病の手術などの外科治療をおこなう際に問題となることがあります。外科治療によって顎骨壊死(あごの骨が死んでしまい、失ってしまうこと)をおこすことがあると報告されているためです。
ビスホスホネート系薬剤を服用していても、抜歯などの外科治療でなければ問題なく受けることができます。(お薬の種類や服用期間によっては、慎重に行えば抜歯も可能な場合があります。詳しくは医師や歯科医師にご相談ください。)外科治療を予定している場合は、一時的にビスホスホネート系薬剤の服用を中止するか、外科治療を回避するなどの処置が必要となります。

DSC_7218 (Small).JPG室生寺

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副鼻腔炎と歯の関係 [歯の話]

 先日(2008年12月10日)NHKの「ためしてガッテン」で「その鼻づまりが危険! 蓄のう症予備軍1億人」という番組を放送していました。
当然のことながら副鼻腔は耳鼻科の領域なのですが、歯科の立場からコメントさせていただきます。

 副鼻腔炎は番組でも志の輔さんがおっしゃっていましたが、かなり強い痛みを伴います。
その痛みを歯の痛みと勘違いされて歯科に来院される患者さんがいらっしゃいます。
上顎(上のあごの)の真ん中から2番目3番目あたりの痛みを訴えられたり、どこか判らないがとにかく上の歯が痛いと訴えられる患者さんがいらっしゃいます。
その部分に明らかに治療の必要なむし歯などがあれば、治療を開始してもよいのですが、痛みそうな虫歯がなかったり、あるいは軽度のむし歯に対して治療したのに痛みが軽減しない場合は副鼻腔炎も疑ってみる必要があります。
 我が家でも虫歯がないのに強い痛みを訴えられた患者さんや治療しても痛みが軽減しない患者さんに耳鼻科の受診を勧めたら上顎洞(じょうがくどう;副鼻腔のひとつで上の奥歯の根の先端部分と隣り合っている)炎などの副鼻腔炎だったことが結構あります。

DSC_7210 (Small).JPG室生寺

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まだまだ日本は大丈夫 [歯の話]

 一昨日診療終了後に、旧知の後輩が若い歯科医の先生を数名つれて、この山奥の我が家を訪ねて来てくださった。
聞けば、下関、福岡市、春日市、筑紫野市などから、わざわざ来られたそうである。わざわざ、こんな山奥まで来て、何かお役に立てたのかはなはだ疑問であるが。住人としては若い先生方と楽しい時間を過ごさせていただき、気がつけば2時を回っていた。こちらの用意した食事の費用まで払っていただき恐縮の極みである。
 ご飯をご馳走になったから言うわけではないが、若手歯科医の皆さんの目は、この歯科医師過剰で、「もう歯医者なんて要らない」と言われている時代をなんとか打破しようと輝いていた。何とか自分の診療のレベルアップを図りたいと真剣に考えている先生が多くいることを改めて再認識させられたものである。

DSC_7197 (Small).JPG室生寺 弥勒堂(重文)

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タグ:歯科医
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セルフケアとプロフェッショナルケアでしっかり予防 [歯の話]

 以下は日本歯科医師会発行 HAPPY SMILE/歯っぴいスマイルVol.16 平成20年10月15日からの引用です。

歯周病は歯磨きなどのオーラルケアを毎日しっかりとすることで、予防できます。
 そのために大切なのはセルフケア、つまり自己管理です。まずは毎日のブラッシングを正しく丁寧に行ってください。

歯ブラシは、余計な力が入らないよう、鉛筆と同じように持ち、歯と歯ぐきの境目に歯ブラシが当たっていることを意識しながら、1日3回食後を基本に磨きます。
そのうち1回は、例えば寝る前にお風呂に入りながら、テレビを見ながら、長めにしっかり磨き、後の2回は少し短めでも構いません。
菌の増殖を抑える歯磨き剤を使用したり、歯間ブラシやデンタルフロスなどを使用するのも良いでしょう。  さらに、歯医者さんによるプロフェッショナルケアを受けましょう。
年に2~3回は歯医者さんに行って、健診を受けてください。プラークや歯石を除去する「スケーリング」を受けるのも効果的です。

 自分の歯をたくさんもっている人ほど、医療費が安くすんでいるという統計結果もありますので、お口のケアは少しの出費で健康を維持できる「入り口」と考えてみてください。
 明るく、楽しい毎日を過ごすためにも、歯周病を予防して健康的な生活を送りましょう。

>>>おすすめグッズ 

注;日本歯科医師会会員の医療機関では待合室に「HAPPY SMILE/歯っぴいスマイル」をおいているかもしれません。詳しくはそちらを参考にしてください。(日本のすべての歯科医療機関が日本歯科医師会の会員ではありません)>>>http://www.jda.or.jp/

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不退寺

不退寺


タグ:歯周病
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歯周病と体の病気との関係 [歯の話]

以下は日本歯科医師会「HAPPY歯っぴいスマイル VOL.16」 平成20年10月15日からの引用です。

歯周病は歯と歯ぐきだけでなく、体の健康と深く結びついています。
最新の研究により、歯周病が全身の病気に害を及ぼしたり、全身の病気が歯周病に悪影響を与えたりすることが明らかになってきました。

 なかでも、歯周病と糖尿病には密接な関係があります。
糖尿病は予備軍も含めて成人の5、6人に1人がかかっていると言われていますが、その合併症のひとつが歯周病なのです。歯周病で慢性的な炎症があると、血糖値を下げるホルモン「インスリン」に体が反応しにくくなり糖尿病が悪化します。

一方、糖尿病で歯ぐきの血流が乏しくなったり、血糖値が上がると、歯周病菌に対する抵抗力が落ちてしまい、相互に悪い作用を及ぼします。そのため最近では、糖尿病の患者が歯科を、歯周病の患者が内科や糖尿病専門医を、それぞれ受診することは非常に重要だとされ、医科と歯科の連携が整えられつつあります。

 それ以外にも歯周病が悪影響を与える事例として、早産・低体重児出産や誤嚥性肺炎、動脈硬化、心筋梗塞などが挙げられます。
また、メタポリックシンドローム(内臓脂肪症候群)との関連も注目されています。いずれも歯周病菌や、感染によってつくられた生理活性物質が全身に回って引き起こすと考えられています。
 また、英国の大学による最新の研究では「歯周病のある人は、ない人より膵臓(すいぞう)がんや胃がん、肺がんにかかりやすい」という論文も発表され、注目を集めています。

注;日本歯科医師会会員の医療機関では待合室に「HAPPY SMILE/歯っぴいスマイル」をおいているかもしれません。詳しくはそちらを参考にしてください。(日本のすべての歯科医療機関が日本歯科医師会の会員ではありません)>>>http://www.jda.or.jp/

(社)日本糖尿病協会>>>http://www.nittokyo.or.jp/
(NPO法人)川崎糖尿病スクエア>>>http://www.kawasaki-dms.jp/index.html

 

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東大寺法華堂

法華堂(三月堂)

家庭の歯学


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「歯周病」あなたのお口は大丈夫? [歯の話]

以下は日本歯科医師会発行 HAPPY SMILE/歯っぴいスマイルVol.16 平成20年10月15日からの引用です。

  1. 歯ぐきがムズムズして、かゆい         □Yes  □No
  2. 歯が浮いた感じで、歯ぐきが腫れぼったい   □Yes  □No
  3. 冷たいものがしみる                □Yes  □No
  4. 歯を磨くと歯ぐきから血が出る                 □Yes  □No               
  5. 起床時に口の中がネバネバする              □Yes  □No
  6. 歯ぐきを押すと血や、うみが出る              □Yes  □No
  7. 口臭がある                                     □Yes  □No
  8. 歯茎が腫れて、赤黒い                         □Yes  □No
  9. 歯と歯の間に物が挟まりやすい               □Yes  □No
  10. 歯を押すとグラグラする                        □Yes  □No
  11. 歯ぐきが縮み、歯が長くなって見える          □Yes  □No
  12. 歯並びが変わったような気がする              □Yes  □No

注;日本歯科医師会会員の医療機関では待合室に「HAPPY SMILE/歯っぴいスマイル」をおいているかもしれません。詳しくはそちらを参考にしてください。(日本のすべての歯科医療機関が日本歯科医師会の会員ではありません)>>>http://www.jda.or.jp/

不退寺

DSC_7166 (Small).JPG不退寺

 

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タグ:歯周病 歯科
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むし歯、削るべきか削らざるべきか? [歯の話]

NHKの「ためしてガッテン」でむし歯の話が放送されていました(11月5日)。以前同じテーマで放送したときに大変反響があった内容だそうです。
その中にむし歯についての話がありました。住人なりに整理しておきたいと思います。

○ごく初期のむし歯は再石灰化するので削らずに経過観察(様子を見ること)したほうがよい。
 →そう思います。無症状で検診でお見えになって発見される可能性のあるむし歯です。「しみる」などの症状があって来院される患者さんの多くはこれより進行したむし歯です。  

○初期のむし歯でも経過観察可能
 →ガッテンに出ていた奥歯のむし歯ですが、年齢によっても違いますが、自覚症状がなくお口の清掃がきちっと出来ていて、患者さんが定期的に来院されて、レントゲン撮影など検査させていただけるのであれば経過観察させていただきます。
 番組で言っていましたが、患者さんの性格も診断基準になるといえるかもしれません。それは、患者さんの歯に対する熱意(健康へのこだわり)と、ある程度以上のブラッシング力が必要だからです。
条件を満たせばあわてて削らなくても様子を見ることが可能です。しかしこのレベルのむし歯でもブラッシングが十分でなく放置すれば、むし歯は急速に進行し、歯の中の神経を取ったりしなければなりません。残念ですが、こういう顛末の方が多くいらっしゃいます。

この手の番組を見るときは
医学、医療(臨床)、医療制度はイコールではありません」
ということをふまえて、どのレベルの話をしているのか注意して見る必要があります。
 本当は番組を提供する側が医学レベルの話をしているのか、医療(臨床)レベルの話をしているのか、医療制度の話をしているのか明確にすべきなのですが、日本の健康番組ではここが区別されていないので、見る側が注意する必要があります。番組を見て受診したらまだ臨床応用されていなかったり、自由診療だったということになるかもしれません。

DSC_7129 (Small).JPG百豪寺

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医学、医療(臨床)、医療制度はイコールではありません [歯の話]

 医学というのは自然科学の1分野として系統だった学問であり、整理された簡潔な条件での実験結果や研究の積み重ねを基にしたものです。(日本歯周病学会
他の科学同様、基礎的な研究の積み重ねが、歯科医学においても大切です。正しいといえば正しいのですが、それはかなり限られた条件内で成立する話です。
 ごく初期のむし歯が再石灰化して治るというのは実験室の中のような限られた環境では事実として再現可能かもしれませんが、実際のすべての患者さんで出来るわけではありません。

 医療(臨床)は医学における研究結果などを元に、実際の患者さんの治療に応用することです。(日本臨床歯周病学会
患者さんの生活環境、希望など様々な要因や条件が付与されるので、医学のように単純には行きません。医学=臨床ではありません。
(そもそも、医学における動物実験でも結果にばらつきがあるのですから)
頻繁に甘くて酸性の炭酸飲料を飲み、歯磨きが完璧に出来ていないお口の環境の中で再石灰化させるのは容易ではありません。
社会保障制度が整備されるまでは臨床(医療)=自由(自費)診療でした。しかし現在では、医療は健康保険制度の制限がある保険診療と自由に医療を提供(享受)できる自由診療とに分けることが出来ます。(現時点では混合診療は認められておりません)

医療制度は健康保険に代表される「政治的に決められた医療サービスを国民や市民に提供するシステム」であり、その内容は政治的に決められるので、現時点で医療として応用可能なすべての検査法、治療法をカバーしているわけではありません。
「むし歯になりやすいかどうかの検査法」などはむかしからありますが現在の保険制度では認められていません。

 医学が「機械工学」だとすると医療(臨床)は「実際の自動車作り」に例えることができます。機械工学や人間工学などを応用して、皆さんの多様なニーズに応えるべく様々な車種が作られますが、そのうちの一車種が「医療制度」と言うことができます。
現在日本で起こっている医療の問題はほとんどがこの「医療制度」が機能せず崩壊しているからであり、皆さんが政治の力を動かすことが出来れば改善可能です。

 

DSC_7126 (Small).JPG

百豪寺から興福寺

 

白毫寺


タグ:歯科 医学 医療
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入れ歯が合わないってそもそもどういうこと?(気持ち悪い編) [歯の話]

  前回入れ歯が痛い編をお話しました。
今回は入れ歯の装着感などについてのお話です。
初めて入れ歯を入れた方の感想を聞いてみると、中にはそれほど違和感がなく、スムーズに受け入れてくださる方もいらっしゃいますが、多くの方が、程度の差はあっても違和感を感じてらっしゃるようです。
 ・気持ち悪い
 ・お口の中が狭くなった
 ・話しにくい。
その訴えは全くその通りだと思います。
なぜなら、「入れ歯」という人工臓器がいままでなかったところに入るわけですから。患者さんにすれば、異物(入れ歯)はより小さいほうが違和感が少ないのです。

入れ歯は歯茎の上に「床」と呼ばれるピンク色の歯ぐきを模した物がのっかり、その床が咬む力を支えています。そして留め金など、入れ歯をお口の中で維持、安定させるパーツが付属しています。
患者さんにしてみれば、ピンクの部分や金属のパーツはないに越したことはありません。

DSC_7081 (Small).JPG東大寺大仏殿

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タグ:入れ歯
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入れ歯が合わないってそもそもどういうこと?(痛い編) [歯の話]

  聞くところによると「デンタルフロス市場は、2006年が68億円(前年比7.1%増)に達し、2007年が70億円(前年比2.9%増)を見込む。」そうである。
一方「入れ歯安定剤市場は、・・・現在、約112億円の市場規模です・・・。」そうである。
歯医者が言うのもなんであるが、いかに入れ歯でご不自由なさっている方が多いかの証左である。
 歯医者に行って、歯と歯がなくなった部分の形を採り、噛みあわせを採って、場合によっては完成前に試適(確認)までしたのに・・・。今行っている歯医者さんは優しい先生なのに・・・。せっかく歯医者で入れ歯作ったのに痛くてかめない。なぜこんな悲劇が起こるかを一緒に考えて見ましょう。

DSC_7146 (Small).JPG西大寺

 

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歯周病って治るの?(ウソでもいいから大丈夫といって。) [歯の話]

 もしあなたがガンになったとします。
「大丈夫あなたのガンは治りますよ」と言ってくれるA先生と
「5年生存率は50%ですが最善を尽くします。一緒にがんばりましょう」と正直に言うB先生とどちらがいいですか?
本当は治らないのに、ウソをついているんだけど、多くの方はA先生がよいのではないでしょうか。
「もうあなたは手遅れです」なんていわれると、希望も何もなくなり意気消沈してしまいますよね。わらにもすがる気持ちで「何か助かる方法はないだろうか」と考えるのも自然ですし、ご家族にしてみれば、「できるだけのことをしてあげたい」と思うのも納得できます。

こういう話のときに、結果がよければ、つまり、治れば問題になることはありません。
問題になるのは「サルのコシカケ」など代替医療などに高額の費用がかかったにもかかわらず結果が思わしくないときなどです。

DSC_7139 (Small).JPG
興福寺北円堂


http://www.kohfukuji.com/kohfukuji/02_info/old/ma_sp2_10.html

http://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%88%88%E7%A6%8F%E5%AF%BA

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タグ:歯科 うそ
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小さい(動く、あっていない)入れ歯は歯ぐきをますます痛めます。 [歯の話]

  一般的に歯科医が「難しい」と考える入れ歯の状態は 歯ぐきの土手が痩せてしまって、平らになったケースです。
土手が平らになってしまうと、入れ歯が安定せずすぐに外れてしまう、入れ歯が動いて痛いなど、よいことはありません。部分入れ歯のときから、歯ぐきをいためて、土手が痩せってしまうと、いよいよ総入れ歯になったときは「ぺらぺら」の平らな土手で、入れ歯が安定せず、患者さんが非常にご不自由することになります。その経過を見ている歯科医師は「なるべく患者さんの土手が吸収して痩せてしまうことがないようにしたいと強く思っています。

あってない入れ歯を長期間入れていたり、入れ歯安定材の不適切な使用、動く入れ歯を使用し続けることによって歯ぐきの土手は早期に、そして高度に吸収してしまいます。
重度の歯周病の場合は歯があるときから骨を喪失していますので、入れ歯になったときは土手がなくて安定した入れ歯を入れることが難しいようです。

本題に戻りますが、どうして小さい入れ歯は歯茎の吸収を早めてしまうのでしょう。たとえ話をしたいと思います。
テーブルの上に板状の厚いスポンジがのっています。そのスポンジの上に中身の入ったペットボトルを置くとします。そのままおいた場合と、プラスティックの下敷きをスポンジの上において、その上にペットボトルをおく場合と、どちらがペットボトルが沈み込むでしょう。
直接スポンジの上にペットボトルを置いたほうがスポンジがより深く沈みこむますよね。つまり単位面積当たりの圧力は質量が同じ場合、底面積が小さいほど大きくなります。これを入れ歯に置き換えると、同じ力でかんだ場合、小さい入れ歯ほど歯茎に強い力がかかり、歯ぐきが食い込みやすいことになります。

あっていない入れ歯同様、小さな入れ歯で、歯茎に強い力がかかると結果的に歯ぐきは急速に痩せていきます。
※入れ歯の大きさは歯科医の判断で、患者さんのためを考えて決定していることが申し上げたいのであって、小さい入れ歯は絶対入れてはいけないというようなこと言っているわけではありません。信頼できるかかりつけの歯科医と相談して、十分納得していただければ幸いです。

もうひとつ部分入れ歯(ご自分の歯が残っていてそれを入れ歯の支えにしている入れ歯)が動く場合はさらに深刻です。
入れ歯本体が動くたびに、残っている歯にか噛む力が伝わり、栓抜きで栓を抜いたり、地面に植わっている杭を緩めたりする様な力がかかり、入れ歯を留め金などで支えているご自身の歯を急速にいためてしまいます。
歯は噛む力には強くても横からゆすられるような力には非常に弱いのです。皆様の中にも、いればの留め金がかかっている歯がトラブルを起こして抜かないといけなくなり、気がついたら徐々に歯がなくなっていた経験がある方がおられると思います。
入れ歯と一緒に残っている歯も動いているのに気付かず、グラグラになって抜かないといけなくなったり、残っている歯に無理な力が蓄積され、歯が割れてしまったり、等々のトラブルが生じるのです。入れ歯の大きさや留め金のデザインなどはなるべくそのようなトラブらが起きないよう考えられていますが、完全ではありません。そして、お口の中は日々変化しています。自動車同様の定期健診が必要なのは言うまでもありません。

 

>>>入れ歯が合わないってそもそもどういうこと?(痛い編)
>>>入れ歯が合わないってそもそもどういうこと?(気持ち悪い編)

DSC_7112 (Small).JPG

二月堂

東大寺二月堂

 部分入れ歯用 パーシャルデント 108錠


タグ:入れ歯
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「あなどれない 歯周病の新対策 最新の治療」を見て [歯の話]

 昨日夕食後にふとテレビをつけると、NHKの「今日の健康」で「あなどれない 歯周病の新対策 最新の治療」と題して歯周病の話をしていました。
住人も我が家で再生療法に取り組んでいるので、ついつい見入ってしまいました。
再生療法に関する私見は過去に当ブログで述べているので割愛させていただきますが、今日はその番組の感想を述べさせていただきます。

 番組の対象は歯科に関して全く素人の皆さんであり、その意味ではわかりやすい構成になっていたと思います。
住人も再生療法を否定しませんし、歯科医療の進歩、歯周病治療の進歩を皆さんにお知らせするのは大変良いことです。
いまだに我が家を始めて来院される患者さんで、「いままでも歯周病で悩んでいたが、こういう検査や説明、治療を受けたのは初めてです。」とおっしゃる方が少なからずいらっしゃいます。この番組をご覧になった方が、歯科治療や歯周病の治療に関心を持っていただき、歯医者さんの門をくぐる動機になるのであれば、それはその方にとって大変メリットがあると思います。
 しかし、番組中でも講師の伊藤公一先生が「症例によって結果は100%ではない」こと、「詳しくは歯医者さんで相談してほしい」ことなどコメントしておられましたが、十分伝わっていないのではないかと少し危惧します。そこで、少し補足させていただきます。

DSC_7304 (Small).JPG
長谷寺

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歯の話の目次 [歯の話]

  馬寄村の住人が暇なときに少しずつアップしてきたブログもかなりのページになってきました。歯医者バカの住人はどうしても歯の話題が多くなってしまいました。現在の歯科医学、医療について考えていただき、歯科医と患者さんの関係がよりよくなることを多くの歯科医は願っています。住人もその一人です。
多くの皆様に歯の健康に関心を持っていただいて、当サイトにアクセスしていただけることは大変嬉しく思います反面、歯のことでお悩みの方が多くいらっしゃる現実を残念に思います。 
本来医療という職業はみなさんが健康になって、その結果衰退してゆくべき業種です。  

 今後も歯科の治療法、医療の抱える問題などひっそりとではありますが正直に、独断と偏見を抱えて書いていきたいと思います。

「歯の話の目次」を作成しました。下記タイトルをクリックするとそのページがごらんになれます。患者さんと歯科医の信頼の架け橋がより強固にならんことを願ってやみません。興味のあるキーワードをつまんでいただければ幸いです。歯の話以外のページも読んでいただければ嬉しいです。

馬寄村の住人

目次










































































































DSCF0567 (Small).JPG関門橋

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タグ: 歯科
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歯科の実力 [歯の話]

 皆さんは今までどのような歯医者さんにかかってきましたか?そして、どのような歯医者さんにかかりたいですか?
イケメンで優しい先生?
 でもいまどきの歯医者さんはみんな優しいのではないでしょうか?
それでは腕の良い歯医者さんでしょうか?
 皆さんにとって腕の良い歯医者さんとはどんな歯医者さんでしょう?
痛くなく、治療期間が短く、きれいな歯にしてくれて、丈夫で何でもかめて、長持ちしてしかも安い。でしょうか。

 読売新聞社の読売新聞医療情報部編で、「歯科の実力」という本が出版されました。住人も今まで、お勧めの歯医者さんなどをこのブログで考えを述べてまいりました。
>>>上手な歯医者さんを教えてください。 

 受診される患者さんのニーズや良いと思う先生のイメージなどはさまざまです。
毎週末ゴルフを楽しんでいる人間味あふれる先生に見てもらいたい方、毎週末学会や勉強会に明け暮れている堅物先生に見てもらいたい方。
重度の歯周病を心底治療したいと悩んでいる方、悪いのは判っているけど歯医者に通う時間なんてない方、見た目が重要な方、健康が最優先の方。歯医者もいろいろ、患者さんもさまざまです。
 当然患者さんによって良い先生の判断基準は異なりますので、何を実力というかによってものさしが変わってきます。AさんとBさんで、価値観やおかれている状況が異なればたとえ夫婦でも同じ先生を「良い歯医者さん」と判断するかどうかわかりません。

 この本の最初にも口コミランキングの信頼性にも疑問を投げかけている通り、歯医者さん選びは簡単に決め付けられるものではありません。また、この本も絶対正しいとは思いません。この本に掲載されていないすばらしい先生を住人はたくさん知っています。
けれども、歯医者さん選びで悩んでおられる皆さんに大まかな判断基準を提供していると思います。編集部もその辺のスタンスが、住人と近いと思います。

この本に掲載されている歯科医院がどうのこうのよりも本文をじっくりよくお読みになっていただきたいと思います。840円は決して高くないと思います。
よい歯医者さんとめぐり合いたいと思われている方は参考になさってはいかがでしょうか。 よい歯医者さんにめぐり合われることに加えて、良い関わりをもたれることを願ってやみません。

歯科の実力

DSC_7080 (Small).JPG東大寺

東大寺


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歯科治療とレーザー治療 [歯の話]

  我が家でも従来よりレーザーを用いた治療を行っています。歯周病の外科治療や再生療法やインプラントを行ううえで欠かせない物になりました。昔だったら腫れていた手術等でもほとんど腫れなくなったことや抜糸(縫った糸を取ること)の時期がかなり短縮でき、治療している側が驚くほどです。
 その効能はある程度科学的に証明されています。レーザーは最初はレーザーメスに代表されるように切開などを行うことが主目的で開発されました。研究が進むうちに、鎮痛、消炎、止血、新陳代謝の促進、治癒(傷が治ること)の促進などさまざまな効果がることががわかってきたのです。むし歯で痛んだ歯髄(歯の中の神経)を沈静化させたり、再生療法で再生させたい細胞が増えるような当て方をするとか、いかに歯を抜いた後が腫れないような当て方をするかなどいろいろ方法はあるのですが、ここでは難しいことは省きます。
皆さんに理解していただきたいのはレーザーは有効であるけれども、魔法の装置ではないことです。

DSC_7148 (Small).JPG秋篠寺

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歯(噛み合わせ、虫歯)と肩こりの関係 [歯の話]

 患者さんから伺ったのですが、6月20日のスーパーモーニングでも「肩こり、聴力が歯科で改善」と題して、頭痛、耳鳴り、手足のしびれと歯科の関係を放送していたそうです。
 そこで、今回はかみ合わせについてです。
最初に今回の結論を申し上げると「歯や噛み合わせを治療することで、諸問題が解決することもあるが、解決しないこともあり、その関連性は完全に科学的に証明されているものではない」のです。
 我が家でも患者さんから、「肩こりがひどいのですが歯と
関係ありますか?」との質問をいろいろな場面でされます。あまり多く聞かれるので、「どこかで、誰かが「歯が痛いのは肩こりが原因でしょう」あるいは「肩こりがひどいのは歯が原因でしょう」と簡単に言っているのではないだろうか」と穿った考えが頭をよぎったりもします。
以下、場面に分けて考えて見ましょう。

DSCF0566 (Small).JPGノーフォーク広場 北九州市門司区

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夢の再生療法 [歯の話]

 6月はむし歯予防デーがあるせいか、マスコミも歯について感心を持ってもらえる月です。先日も健康番組で、歯周病の治療の話題が出ておりました。>>>主治医が見つかる診療所 2008年6月16日
歯周病の治療として、歯周組織再生療法が紹介されておりましたが、今日はそのお話です。

 そもそも再生とは失われた組織が元どおりにすることです。
例えばトカゲは天敵に襲われるとシッポを木って逃げますが、そのシッポはしばらくするとまた生えてきますが完全に元通りになるわけではありません。これは再生ではありません。
一方イモリは指が切れた場合、骨、筋肉など組織構造が完全に元通りになるそうです。これを再生といいます。
>>>所さんの目がテン 第776回 2005年4月10日  http://www.ntv.co.jp/megaten/library/date/05/04/0410.html

さて、歯周病とは歯が植わっている周囲の組織(歯周組織) が破壊されて失う病気ですが、従来は(今でもおおよそ同じですが)破壊された歯周組織は元通りにすることは不可能で、それ以上歯周病が進行、悪化しないための手当てに主眼がおかれていました。
ところが、再生療法の進歩により歯科医学の分野でも歯周病などで失われた組織を再生させる治療法がいくつか開発されました。
エムドゲイン、GTR法などといわれているものです。
>>>歯周組織の再生療法

関門橋夜景のコピー (Small).jpg関門橋

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「電動歯ブラシ」ってどうよ? [歯の話]

DSC_7200 (Small).JPG  先日木村拓哉が「CHANGE」というドラマの中で総理大臣としての忙しさを表現するのに、部屋で電動歯ブラシを使っているシーンがありました。
 キムタクがドラマで歯磨きすることで皆さんに歯に関心を持ってもらうことはよいことだと思います。住人がグズグズいうより数億倍の影響力があります。住人が歯磨きしても何にもなりませんが、キムタクは何をさせてもカッコイイですね。

  閑話休題、我が家にも電動歯ブラシを使っておられる患者さんが多くなってきました。(住人は現時点で、毛先がシステマで、超音波の電動歯ブラシを気が向いたときに時々使っています。)
そこで、今回は電動歯ブラシについて住人の考えを述べます。
 

  電動歯ブラシもさまざまな種類があります。ブラシ自体が回転するものや音波や超音波を使って汚れを落とすものなどがあります。
家電量販店などで、電動歯ブラシのコーナーにはいろいろな種類の商品が並んでいます。どういう基準でどれを選べばよいか皆さん頭を悩ますのではないでしょうか。
単刀直入に申し上げますが、現時点で住人は電動歯ブラシをお勧めしていません
  住人は職業柄日本で新しい電動歯ブラシが販売されるたびにチェックしてきました。しかしながら現時点では手でみがいた歯には及ばないと思います。 

写真; 奈良県    室生寺

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タグ:歯ブラシ
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歯は削らないほうがいい? [歯の話]

  歯を削らない治療を売りにした歯科医が現れ、MI(Minimum Intervention (最小の侵襲))という言葉をつくって宣伝しています。住人のような田舎の歯医者では 何も改めて言うまでもなく,良識ある歯科医は声には出さないけれど昔からやっていることです。「都会の歯医者さんは改めてキャンペーンしないといけないくらい歯を削っていたのかな」と逆に考えたくなります。また、キャリソルブというお薬を使って歯を削らずに痛くなく治療するとおっしゃっている歯医者さんがおられます。個人の見解ですが、住人はその治療法で虫歯を治療してもらおうとは思いません。
  最初にお断りしておきますが、「歯はけずらないほうがいい」ということを否定するものではありません。いくら虫歯の治療をしても治療してつめたものと歯の境目からむし歯になりますし、かぶせた物だって一生持つなんて断言できるものではありません。(神様が作った、あなた御自分の歯ですら一生持たないのですから。)
>>>治療した歯がどうしてまたむし歯になるの?
そしてそれゆえに歯のクリーニング(PMTC)を行って,
むし歯を作らないことが重要なのです。
 ここで申し上げたいことは
、「歯科治療において「絶対に、○×△」といった原理主義に陥る」のは問題だということです。

例えば矯正治療をしたほうが良くても、すべても方が矯正治療を受けられるわけではありません。矯正治療が出来るのであれば、歯を削らない方がもちろんよいけれども、矯正治療が出来ないで、しかも歯を削らないのは問題が生じる場合などあります。つまり、患者さんの希望などによりいろいろな治療法が考えられ、それぞれの患者さんによって「ベストな治療」は異なるのです。
DSCF0564 (Small).JPG門司港

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タグ: 歯科治療
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まじめな歯医者さんと「歯の根っこの治療」 [歯の話]

 以前「歯科治療のX線(レントゲン)撮影の重要性」についてコメントしたときに、レントゲンを素人にもわかるようにきちっと撮影して、撮影したレントゲンはすべて説明してくれる歯医者さん。経過を見せてくれる先生は信用できるまじめな歯医者さんであると述べました。 >>>歯科治療のX線(レントゲン)撮影の重要性
 今回も「まじめな歯医者さん」について住人の考えをお伝えしたいと思います。住人は以前から述べているように、医療に100%絶対と言うのはありえない。住人の治療の成功率も100%でもなく、うまくいかないこともある。そして、患者さんの歯科医師に対する、ニーズ、評価もさまざまであり、他人が他の歯科医師のことをとやかくコメントする資格はないので、以下は「そういう考え方もある」程度に理解して読んでもらえれば結構です。
 まじめでなくてよい(手抜きでよい)ので、手っ取り早く終わってくれる歯医者さんがお望みでしたら、これらのことはあたりませんので、以下を読む必要はありません。
 我が家にも時々、他院からの紹介や「他院で歯の根っこの治療をしたのだが、半年も通っているが痛みが取れない。」などの訴えで患者さんが来院することがある。そこからは前医も患者さんも苦労していることがうかがえます。           >>>神経をとった歯が痛むのはなぜ?


2002.2.10-6 (Small).JPG門司港レトロ

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フロス(糸楊枝)or ダイ(死)-定期健診でバイオフィルムの除去を- [歯の話]

 日本の多くの方は歯は年齢とともに悪くなるものとあきらめている節があります。
 我が家では定期的なメインテナンスに来院していただいているだけで、歯の病気が悪化せず維持できている方が大勢いらっしゃいます。裏を返せばしっかり治療をしてメインテナンスをしっかり行っていれば、そんなにかんたんに悪くならないということです。(しかも定期健診にお見えになる方はなぜか皆さんお元気です。)
アメリカ合衆国ではお口が健康な人でも年に数回、歯科医院でクリーニングをしてもらうのが常識です。なぜなら、公的健康保険が整備されていないため、歯の治療も多くは民間保険です。民間保険の加入条件に年に数回の歯科医院でのメインテナンスが義務づられており、それを守らなければ、保険給付されないのです。
これも裏を返せば、保険会社の統計データーから、健康な人が年に数回歯科医院でクリーニングしていれば、保険会社は損をしない、つまり、加入者にとっては歯の病気のリスクはかなり減らせるということです。
半分脅しのようなアメリカの事情ですが、このことがアメリカ人の歯の健康を維持しているともいえなくはありません。
 もちろん、幼稚園のころから教育の中でしっかりブラッシングの重要性をおしえられているのですが。
「フロス(糸楊枝)or ダイ(死)」というキャッチコピーがアメリカにはありました。
フロス、つまり「歯のクリーニングをするか、しないで死を選ぶか」というショッキングな内容ですが、あながち誇張ではないことが最近わかってきました。
kannmonnkyou-1M (Small).jpg 関門橋

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歯が20本以上残る70歳以上の高齢者、病気診療費37%少なく [歯の話]

 以下の記事は毎日新聞に掲載されたものです。
【2008年4月3日】

病気診療費:歯が20本以上残る70歳以上の高齢者、37%少なく /北海道
 ◇道国民健康保険団体連合会が調査
 20本以上の歯が残る70歳以上の高齢者は、4本以下の人に比べて全身の病気に関係した診療費が37%も少ないことが道国民健康保険団体連合会(札幌市中央区)の調査で分かった。虫歯のない人や歯周病でない人も安く済んでおり、歯は体全体の健康に結びつくことが統計的に立証された。同会は「口を良い状態に保てば健全な食生活を送ることができ、健康で暮らせる」として、歯をよくケアするよう呼び掛けている。
 同会は07年5月の道内の歯科レセプト6万4132件、医科レセプト10万3418件を利用し、患者の歯の状態と診療費を調べた。20本以上の歯を持つ人の割合は30%で、診療費は2万2660円だった一方、4本以下は22%で同3万5930円だった。歯が多いほど診療費が安くなる傾向が明確に表れた。 虫歯のない人は2万6410円、治療済みの人は2万7120円とほぼ同額だが、治療をしていないと3万290円と高くなった。歯周病のない人は2万4170円なのに対し、中程度かかっている人は2万6240円、重度は2万7920円と次第に高くなった。【去石信一】

お口の健康と全身の健康が密接な関係があることは従来より言われておりました。それを証明するようにお口の健康なかたの方が医療費がかからないということです。医療費抑制のためにお口の健康を言うのは何か違うような気もしますが、現在の医療制度では、患者さんも一部負担しているわけですから、お口の健康が、家計にも貢献していると言えるのかもしれません。
ここでは全身の健康を維持するためにはまず、お口のケアーが大切であることを理解していただければと思います。


DSCF0002M (Small).jpg関門橋

>>>おすすめグッズ http://www002.upp.so-net.ne.jp/ikono/goodshonnpenn.htm


タグ:歯科 医療費
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歯医者と患者さんがよりよい関係で長く付き合っていくために [歯の話]

 住人は皆様が歯科医とかかわってゆく中で、出来るだけスムーズにトラブルなく、お互いに幸せになれるように良好なコミュニケーションがとれるお手伝いが出来れば・・・と考えながら当ブログを書き綴っています。

皆様に迷惑や誤解を与えることのないよう、出来るだけ住人の独りよがり的な発想になることは避けたいと思っています。

  以下の文章は全員が住人と旧知の仲の先生方が患者さん向けに書いた「歯医者さんを知ろう」という書籍の中に書かれているものの一部です。住人同様、患者さんと良好な関係を築きたいと願って書かれた本であり、一般の方にも大変判りやすい本です。これから歯医者さんにかかる予定のある方はぜひご一読ください。

龍安寺
知足の蹲踞(つくばい)-「吾唯足知」(われ、ただ足るを知る)の4字が刻まれている
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E9%BE%8D%E5%AE%89%E5%AF%BA

 

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タグ:歯科
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上手な歯医者さんを教えてください。 [歯の話]

 最近、住人が耳にした出来事です。
  あるとき歯科医であるKさんは 友達のXさんから「どこか上手な歯医者さんを教えて」とたずねられました。Kさんの頭に浮かんだのは、いくつもの学会やスタディーグループに所属し、講演などもしていて同業者が見ても腕は良い、そしてなによりも正直でまじめなI先生のことでした。Kさんは自分が治療してもらうとしてもI先生が良いと思っているので、迷うことなく、「その地区ならI歯科がお勧めです。」といいました。

 実はXさんは以前から歯のことでたびたび苦労していました。引っ越してきてからもいろいろな歯科にかかりましたが、Xさんにとって納得のいく治療ではありませんでした。
そして最近、うわさを手がかりにY歯科医院にかかりました。Y歯科院は最近できたきれいな病院で、先生も若くて優しく治療してくれました。けれども一向に状況は改善しません。相変わらずいろんな歯に問題が出てきます。


そこで、「歯科医のKさんなら上手な歯医者さんを知っているのでは」と思い、Kさんに尋ねたのです。

DSCF0009M (Small).jpg

 

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タグ:歯科
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保険診療と(自費)自由診療 [歯の話]

 住人は(怪しい民間療法は別として)厚生省から認可を受けた医療機関が行う医療はすべて保険給付(健康保険ですべて受けられる)されるべきであると考えます。生まれるところから臨終を迎えるまでの間、医療にかかる費用に関して心配しなくてよい社会が理想であると思います。  歯科医院に行ったときに記入する問診表で、保険でするか、自費でするか尋ねられて、記入に苦慮した経験のある方がいらっしゃると思います。なんか、歯科医の金儲け主義が出ているみたいでいやらしく、しかも保険希望と書いたら足元を見られるのではと危惧されるかたもいらっしゃると思います。(実は我が家でも、尋ねるほうの住人も遠慮がちに聞いているのですが・・・)

  医は仁術といいますが、赤ひげは何もかすみを食っていたわけではなく、金持ちから高い料金を巻き上げて、そのお金で診療所を運営し、貧しいヒトに医療を施すことで、人々から感謝されていたのです。  

東寺、御影堂(国宝) 南北朝時代に建てられた住宅風の仏堂である。国宝指定の名称は「大師堂」http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%9D%B1%E5%AF%BA

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タグ:価格 歯科 医療
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総入れ歯について [歯の話]

  「痛い」、「異物感が強い」、「発音しにくい」、「入れ歯が動く」、「見た目が自分の歯のように見えない」入れ歯を支えるものが何一つない 総入れ歯は患者さんにとって必ずしも満足のいかない治療のようです。 一方歯科医師にとっても、腕の見せ所であり、最も難しい治療です。それは入れ歯を入れた瞬間に患者さんの評価が決まり、その患者さんの評価が絶対であり、最悪の場合ずっと洗面所のコップの中にありつづけるかもしれないからです。ほかの歯の治療では本当の良し悪しは意外と患者さんにはわかりにくいようですが、総義歯ばかりは歯科医師がいくら御託を並べても使ってもらえなければ始まりません。

里山の秋 (蛍の里湯遊ウオーク2007.11.18)

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タグ:入れ歯 歯科
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磁石式(マグネット式)の入れ歯 [歯の話]

 平成19年11月11日に日本補綴学会九州支部学術大会が九州歯科大学講堂において開催されました。その中で、「磁石の入れ歯で快適ライフーご存知ですかマグネットデンチャーってー」と題して市民フォーラムが行われました。

 不幸にも歯を失い補わなければならない場合、固定式のブリッジか、取り外し式の部分入れ歯、あるいはインプラントが選択肢になります。そのなかで部分入れ歯は安定しないのでかみにくい、外れやすい、留め金が見えるので見た目が悪いなど患者さんにはあまり評判がよくありません。皆さんの中にも部分入れ歯の不具合でお悩みの方もおられるのではないでしょうか。

 そこで、昔から歯の根の部分や入れ歯に磁石をつけて、磁力で外れないようにしようとする試みがなされており、磁石を用いた入れ歯は 実は歴史のある治療法なのです。
 磁石で入れ歯を維持しますので、通常のいればのような留め金はありませんので、見た目も良くなります。しかしながら、磁力の低下、磁石の大きさの問題、腐食(錆び)の問題などから、あまり普及しませんでした。
 ところが、約15年位前から、磁石の進歩により、 小さくて高性能の磁石が開発され、臨床で多く用いられるようになりました。住人も治療のひとつの方法として応用しております。

金閣寺

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ゴールド Vsセラミック 歯の治療の材料は何が一番よい? [歯の話]

 住人がテレビを見ているとどうしても出演者の口元に目がいってしまいます。 マラソン選手などでも、外国人は白くてきれいな歯並び、まさに「明眸皓歯(めいぼうこうし)」。一方日本人は銀が入っていたり、前歯が不自然だったり、歯並びが悪かったり、顔が左右非対称だったり(たぶん片方奥歯がないんじゃない?とか、)・・・にぎやかですが、ガッカリです。芸能人も同様です。口元の美しさへの気配り度は日本はかなり後進国でしょう。

 歯の治療をするときは保険(健康保険)給付が可能な材料かどうかがいつも問題になります。患者さんにとっては、すべて保険で治療できればよいのですが、現実はそうなっていません。これは歯科医の問題でなく政治の問題です。
 保険と自由診療(自費)の違いは 実は材料の違いだけではないのですがココでは省略いたします。
>>>保険の治療と自費の治療
保険が「きく」とか「きかない」は別として、お口の中に入れるのにはどのような材料がよいのでしょう。

聖林時にて

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定期健診(メインテナンス、SPT(Supportive Periodontal Therapy))ってなに? [歯の話]

 歯医者さんは痛みや機械の音など皆さんにとってはあまりよいイメージではないところではないでしょうか。できれば近寄りたくないところかもしれません。
 けれども最近、きちっと歯科治療をしたあとにメインテナンス(定期健診)で来院される患者さんが増えてきました。それはメインテナンスの有効性が少しずつ理解されてきたからだと思います。

 メインテナンスの目的のひとつに「病気の早期発見」もあげられます。しかしそれよりむしろ、「治療した歯ができるだけ長持ちするよう、健康が維持できるようケアーしてゆくこと」が主目的です。つまり今までのように痛くなって、治療目的で来院するのとコンセプトがまったく異なります。

 安倍文殊院

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