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小さい(動く、あっていない)入れ歯は歯ぐきをますます痛めます。 [歯の話]

  一般的に歯科医が「難しい」と考える入れ歯の状態は 歯ぐきの土手が痩せてしまって、平らになったケースです。
土手が平らになってしまうと、入れ歯が安定せずすぐに外れてしまう、入れ歯が動いて痛いなど、よいことはありません。部分入れ歯のときから、歯ぐきをいためて、土手が痩せってしまうと、いよいよ総入れ歯になったときは「ぺらぺら」の平らな土手で、入れ歯が安定せず、患者さんが非常にご不自由することになります。その経過を見ている歯科医師は「なるべく患者さんの土手が吸収して痩せてしまうことがないようにしたいと強く思っています。

あってない入れ歯を長期間入れていたり、入れ歯安定材の不適切な使用、動く入れ歯を使用し続けることによって歯ぐきの土手は早期に、そして高度に吸収してしまいます。
重度の歯周病の場合は歯があるときから骨を喪失していますので、入れ歯になったときは土手がなくて安定した入れ歯を入れることが難しいようです。

本題に戻りますが、どうして小さい入れ歯は歯茎の吸収を早めてしまうのでしょう。たとえ話をしたいと思います。
テーブルの上に板状の厚いスポンジがのっています。そのスポンジの上に中身の入ったペットボトルを置くとします。そのままおいた場合と、プラスティックの下敷きをスポンジの上において、その上にペットボトルをおく場合と、どちらがペットボトルが沈み込むでしょう。
直接スポンジの上にペットボトルを置いたほうがスポンジがより深く沈みこむますよね。つまり単位面積当たりの圧力は質量が同じ場合、底面積が小さいほど大きくなります。これを入れ歯に置き換えると、同じ力でかんだ場合、小さい入れ歯ほど歯茎に強い力がかかり、歯ぐきが食い込みやすいことになります。

あっていない入れ歯同様、小さな入れ歯で、歯茎に強い力がかかると結果的に歯ぐきは急速に痩せていきます。
※入れ歯の大きさは歯科医の判断で、患者さんのためを考えて決定していることが申し上げたいのであって、小さい入れ歯は絶対入れてはいけないというようなこと言っているわけではありません。信頼できるかかりつけの歯科医と相談して、十分納得していただければ幸いです。

もうひとつ部分入れ歯(ご自分の歯が残っていてそれを入れ歯の支えにしている入れ歯)が動く場合はさらに深刻です。
入れ歯本体が動くたびに、残っている歯にか噛む力が伝わり、栓抜きで栓を抜いたり、地面に植わっている杭を緩めたりする様な力がかかり、入れ歯を留め金などで支えているご自身の歯を急速にいためてしまいます。
歯は噛む力には強くても横からゆすられるような力には非常に弱いのです。皆様の中にも、いればの留め金がかかっている歯がトラブルを起こして抜かないといけなくなり、気がついたら徐々に歯がなくなっていた経験がある方がおられると思います。
入れ歯と一緒に残っている歯も動いているのに気付かず、グラグラになって抜かないといけなくなったり、残っている歯に無理な力が蓄積され、歯が割れてしまったり、等々のトラブルが生じるのです。入れ歯の大きさや留め金のデザインなどはなるべくそのようなトラブらが起きないよう考えられていますが、完全ではありません。そして、お口の中は日々変化しています。自動車同様の定期健診が必要なのは言うまでもありません。

 

>>>入れ歯が合わないってそもそもどういうこと?(痛い編)
>>>入れ歯が合わないってそもそもどういうこと?(気持ち悪い編)

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二月堂

東大寺二月堂

 部分入れ歯用 パーシャルデント 108錠


タグ:入れ歯
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