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歯は削らないほうがいい? [歯の話]

  歯を削らない治療を売りにした歯科医が現れ、MI(Minimum Intervention (最小の侵襲))という言葉をつくって宣伝しています。住人のような田舎の歯医者では 何も改めて言うまでもなく,良識ある歯科医は声には出さないけれど昔からやっていることです。「都会の歯医者さんは改めてキャンペーンしないといけないくらい歯を削っていたのかな」と逆に考えたくなります。また、キャリソルブというお薬を使って歯を削らずに痛くなく治療するとおっしゃっている歯医者さんがおられます。個人の見解ですが、住人はその治療法で虫歯を治療してもらおうとは思いません。
  最初にお断りしておきますが、「歯はけずらないほうがいい」ということを否定するものではありません。いくら虫歯の治療をしても治療してつめたものと歯の境目からむし歯になりますし、かぶせた物だって一生持つなんて断言できるものではありません。(神様が作った、あなた御自分の歯ですら一生持たないのですから。)
>>>治療した歯がどうしてまたむし歯になるの?
そしてそれゆえに歯のクリーニング(PMTC)を行って,
むし歯を作らないことが重要なのです。
 ここで申し上げたいことは
、「歯科治療において「絶対に、○×△」といった原理主義に陥る」のは問題だということです。

例えば矯正治療をしたほうが良くても、すべても方が矯正治療を受けられるわけではありません。矯正治療が出来るのであれば、歯を削らない方がもちろんよいけれども、矯正治療が出来ないで、しかも歯を削らないのは問題が生じる場合などあります。つまり、患者さんの希望などによりいろいろな治療法が考えられ、それぞれの患者さんによって「ベストな治療」は異なるのです。
DSCF0564 (Small).JPG門司港

  たとえば、「下の前歯は虫歯もないし全然悪くもないけど、その下の前歯があるばかり(正確には位置やかみ合わせが悪いばかりに)に、上の前歯がどんどんやられていて、近い将来上の前歯を抜歯しなければならなくなるだろう」ケースなどがあるのです。
患者さんの希望が絶対ですので、患者さんが絶対削りたくなければそれで良いのですが、このときに歯は絶対削らないほうが良いということを押し通せば患者さんにとって結果的に不利益になることもあることを理解していただきたいのです。
 誤解を恐れずに、わかりやすく申し上げると、「場合によっては歯を削ったほうが、お口全体としての延命が図れる場合もある」ということです。(このときもなるべく歯を削らないように考えますし、削る以上はなるべくその歯が長持ちするよう最善を尽くすべきです。)

 歯を削らないことでデメリットが生じる場合もあることを患者さんが理解されているのであればそれでよいのです。問題なのは歯を削らないほうが絶対にお口全体の歯が長持ちすると信じて疑わない場合です。
こういうケースは他にも
・神経はとらないほうが良い
・歯は抜かないほうが良い。
などはそのフレーズだけで、正誤を判断すれば確かに正しいのですが、それらはすべて絶対でなく、様々な条件付の上でのことです。
>>>歯の治療は痛くなく、早く、安く、きれいに、丈夫で長持ち、は可能ですか?
 

 他院から我が家にお見えになる患者さんを診ていると、「歯は削らないほうが良い、神経はとらないほうが良い」と原理主義的に妄信しているために、それが原因で患者さん自身が様々な苦労をされている場合もあります。
正解は
「なるべくなら歯は削らないほうが良い。」です。

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タグ: 歯科治療
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