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骨粗しょう症とビスホスホネート系薬剤 [歯の話]

 我が家にお見えになるご高齢の患者さんの多くは何かしら歯以外にも病気をお持ちで、病院にかかっていて、お薬をもらっています。
その中で、骨粗しょう症(こつそしょうしょう)も頻度の高い病気の一つです。

 骨粗鬆症とは、骨の量が減少し、骨が弱くなる病気です。治療では、ビスホスホネート(ビスフォスフォネート)系薬剤が頻繁に使用されます。骨粗しょう症でなくてもステロイドを服用している患者さんの中にはセットでこの薬を処方されている患者さんがおられますし、乳がんなどでも飲まれている方がおられます。
ビスホスホネート系薬剤を服用している患者さんは、抜歯、インプラント埋入手術、歯周病の手術などの外科治療をおこなう際に問題となることがあります。外科治療によって顎骨壊死(あごの骨が死んでしまい、失ってしまうこと)をおこすことがあると報告されているためです。
ビスホスホネート系薬剤を服用していても、抜歯などの外科治療でなければ問題なく受けることができます。(お薬の種類や服用期間によっては、慎重に行えば抜歯も可能な場合があります。詳しくは医師や歯科医師にご相談ください。)外科治療を予定している場合は、一時的にビスホスホネート系薬剤の服用を中止するか、外科治療を回避するなどの処置が必要となります。

DSC_7218 (Small).JPG室生寺

 ビスホスホネート系薬剤による顎骨壊死の発生を防ぐ最善の方法はお口の中を清潔に保つ(感染を予防する)ことです。毎日の歯みがきをしっかりするのはもちろんのこと、歯科医院で虫歯や歯周病の治療を受けたり、定期的にお口のクリーニングをしてもらいましょう。

「歯と関係ない病気のお薬まで説明する必要はないだろう」ではなく飲んでいるお薬は必ず歯科医に伝えてください。

他にも「血の流れをよくするお薬」や「肩こりを改善するお薬」、降圧剤、ステロイド、など歯科治療を行ううえで注意が必要な薬が多くあります。
現在ではお薬をもらう際に多くの医院や薬局、歯科医院であなたが飲んでいるお薬のリストをくれると思います。そのリストを提示するのが一番手っ取り早いです。

医師はあなたにとって必要なお薬を出していると思います。何も飲まなくてよいお薬を出してないはずです。そこで、これをお読みになって勝手にお薬をやめたりせずに、必ず医師にも相談しましょう。

歯科医向け資料
監修 社団法人日本口腔外科学会『ビスホスホネート系薬剤と顎骨壊死』

 

室生寺

 


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