歯科医院の数は本当に過剰なのでしょうか。

　近年、「コンビニの店舗数と歯科医院の数を比較して歯科医院の数が1.5倍だ」とか歯科医院の過剰感を示す情報を時々目にします。

一般の方の感覚でも「また、歯医者ができたよ！。パン屋さんならいいのにね！」というような感じでしょうか。

でも何を基準として歯科医院は過剰なのでしょうか。皆さんは先進国並みの歯科医療を享受した上で歯科医院は過剰なのでしょうか。

1,000人あたりの歯科医師数は北米と日本はほとんど同等であるにもかかわらず、北米では歯科医歯数は過小である、といわれているそうです。

 

平尾台

　以下は中原　泉先生（日本歯科大学学長）がある座談会で示されたデータです。住人の偏見が入るといけませんので、そのまま掲載させていただきます。

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最近，歯科医師会で歯科医療に関する一般生活者意識調査を出されて，これを私は参考にしています。
　簡単にご紹介申し上げますと，歯や口腔に異常を感じている人は62.7％なのに，現在歯科で治療中の人は全体の 11％にとどまる。
歯科受診のきっかけは腫れ，痛み，出血があったからが約 63％。異常を感じていても，具体的な痛みや目に見える現象を実感しない限り，歯科を受診しない人が多数を占める。
もう1つ，歯科受診の目的はむし歯治療が6割以上であり，検診や歯石除去，歯周病治療を目的で受診する人は少ない。
　我々にとっては，こういう重たいデータが出ております。

　ちなみに北米（アメリカとカナダ）は人口1,000人単位で歯科医師が0．6人，日本が0．7人。
あまり変わらないんです。
日本は過剰だと言われていますが，北米では過少だと言われて．もっと増やさなければいけないと言われている。
　どこが違うかというと，定期受診率が違うんです。北米の場合は定期受診率が54％から67％，日本の場合は16％。
ですから，3．3倍から4倍ぐらい北米のほうが，定期受診をする数が多いということです。
これはリコールシステムによる定期検診とブラッシング指導，この2つが柱になって推し進められています。

　もう1つだけ言わせていただきますと，デンタルフロスを北米では 60％の人が使用している。
日本では15 ％。
北米においては児童のころから，デンタルフロスを使用する指導を学校でも家庭でも行っている。その結果，こういう状況になっている・・・後略
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 つまりに日本では口に異常を感じている人が62％もいるのに、11％しか歯科医院にかかっていない。最近インプラントが脚光を浴びていますが、裏を返せば、「それだけ歯を失っている人が多い」のです。
　一方北米では、7割弱の人が自覚症状は無くても歯医者さんに定期健診とブラッシング指導のために受診していて、1,000人あたりの歯科医師数は北米と日本はほとんど同等であるにもかかわらず、歯科医師数は不足である、と言われていることです。

北米の価値観では歯をガリガリ削られたり、歯周病で歯を抜かれたりする前に、歯科医院を受診しているのです。どちらの国民が幸せでしょうか。

その国の歯科医療のレベルは、国民の意識と政治でほぼ決まります。皆さんが北米の方と同じような価値観を持つようになった時は、日本は一気に歯科医師不足に反転するでしょう。

こういった情報が皆さんの耳に入らないのはなぜでしょう。
歯科医の説明不足でしょうか。
お役人は歯科医療費をこれ以上増やしたくありませんから（医療の中に予防の概念を導入した方が長い目で見れば医療費削減につながると思うのですが・・・）このような情報を意図的に流さないのは理解できますが、なぜ、マスコミはこういった情報を仕入れる努力をしないのでしょうか。

参考文献；日本歯科医師会雑誌　Vol.62 No.10 2010-1

>>>医学、医療（臨床）、医療制度はイコールではありません

タグ：歯科

コメント 2

何いってんの？
歯科医師は今も増え続けている、年間1300人新歯科医が誕生すれば
今の歯科医師総数を維持できる（厚労省試算）なのに年間2400人前後誕生している
　いま日本が北米と同じ程度の歯科医師数だとしたら、将来、日本は世界一の歯科医師数になるにきまってるでしょ。　　簡単な小学校の算数レベルの問題でしょ
　中原さんは私立歯科大経営者で私立歯科大経営のことしか考えてないから自分が持ってる大学の利益重視発言しかしないわけで、、、

あなたも日本歯科大卒ですか？　　　なら納得。
by ？？？ (2010-08-06 08:13) 

やり方しだいでまだまだいけるか
by NO NAME (2010-08-10 21:34)