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理想と現実の狭間で [お勧めの1冊]

2496774   自由、平等といった理想のなかで、子供たちは育てられる。
努力すれば夢はかなうと教えられる。
  ダーティな現実からはなるべく距離をおいて育てられ、自分が食べている肉はそのために殺された生物の肉であるという現実からも遠い。
  理科の実験でさえ、ある限られた特殊な条件での単純化された反応を習うのにもかかわらず、現実の宇宙もそんな単純明快な理論の中で回っていると勘違いして育つ。

 ある時期まで、子供たちは大人たちの言うことを信じて疑わない。
純粋培養で育てられた子供たちは精神的にも多感な時期に現実社会に放り出され、そのとき初めてその理想と現実のギャップに落胆する。
  夢がかなわなかったことで、自分はダメだと落胆する。理想を謳っていた先生を恨めしく思い、今度は180度人を信用せず、社会や自分の境遇を憎む。

 

 

 

山口市清水寺

 選挙運動で代議士先生が理想の社会を訴えても、はなから信用していない。
もう自分以外を信用できなくなってしまう。そんな中で、怪しい友達でも、商品でも宗教でも、この人(物)は信用できるとひとたび思うと、周囲が信用できないゆえになおさら妄信してしまう。
結局また、だまされていることに気付き、ますます周囲が信用できなくなる。

病気になっても、医師すら信用できない。
通常自分の死に様など考えることは少ないと思うが、それでも、病院であれ、自宅であれ安らかな死を理想としているはずである。
それでも生死にかかわることとなると、素人の患者としては医師に自分の命を託さざるを得ない。

助からないことを知りつつ、「一緒にがんばりましょう」と言っていた先生がうそをついていたことに、そして、自分だけが自分の余命を知らなかったことに、 人生の最後の最後で気付き、落胆しながらも体にたくさんのチューブをつながれて怒りをぶちまけることも出来ず、望まない延命治療の末、死んでゆくこともある。

現実は直視すればするほど、悲惨で、味気なく、夢もないかもしれない。

うげーーーー むっちゃ暗――――

こんなくらい住人にしてしまった本をご紹介しますが、「暗いのは何事も嫌」という方は決して手に取らないほうがよいと思います。

山崎 章郎 (著) 「病院で死ぬということ」

全て現実を正しく認識し、それを受け入れ、その中で、夢を再構築し、楽しみを見つけながら力強く生きてゆく思考法、実践法を身につければ、そこそこ楽しい人生が送れるかもしれない。

暗くなった心を回復させるお薬(本)を処方しておきます。今回のお勧めの1冊はこちらです。

他力 (幻冬舎文庫)
五木 寛之 (著)
文庫: 334ページ
出版社: 幻冬舎 (2005/09)
ISBN-10: 4344406990
ISBN-13: 978-4344406995
発売日: 2005/09

この作品は1998年11月に講談社より刊行され、英語版「TARIKI]はアメリカをはじめ、世界5カ国で同時発売となり、2002年ブックオブザイヤーに選ばれたそうである。

住人は今回はじめて当作品の存在を知った。住人は浄土宗について全く勉強不足であるが、 全て是である。つまるところは人間はあらゆる周囲の者(物)から生かされいる。そして本人の気の持ちちようで幸せにも不幸にもなる。以前等ブログで述べたことと重なる部分もあり、「やはりそうか」と納得するところが大きかった。 住人が誤った情報を撒き散らしてはいけないので、まずは一読をお勧めする。(もう皆さんとっくにご存知ですよね。住人が知るのが遅すぎるのだろう。)心のビタミン剤です。

>>>「思い」は かなう?
>>>感謝の気持ち

 

 

山口市清水寺


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