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叱られない時代 [世の中のからくり]

 ヒト(動物)が行動を起こす動機は 「痛みを避けたい。快楽を得たい。」だそうです。
同じレベルの刺激を痛みとして感じるか痛いとは思わないかは個人差がありますが(我が家でも何をするにしても麻酔を希望される方もいれば、「少々の痛みは我慢するのでなるべく麻酔しないでほしい」と言われる方もいる(どっちがいいとか悪いとか言っているのではありません))、
痛みやストレスは出来たら避けたいというのが動物の本能ではないでしょうか。だから麻薬は止められないのでしょう。

 叱られることは誰しも心地よいものではありません。むしろストレス(痛み)です。住人は自分の不徳のいたすところあまりにも大で、今までも多くの方からご指導、ご鞭撻を賜っており、どちらかといえば叱られることには免疫があると思っている。
住人も現代人であり、今から述べることは 天に向かって唾するようなものだが、いつものようにご容赦下さい。

 最近の若い歯科医は自分の症例を提示して、処先輩方から批判を受けたりアドバイスを受けるスタディーグループでの研鑽より、有料の聞くだけの講習会に参加する方が人気で人数が集るそうです。    映画館でお金払って映画を見て主人公になったかのような錯覚に陥りやすい勉強法より、自分の仕事を正直にさらけ出してアドバイスをもらう(叱られる)方がはるかに有益と思うのですが、時代の風潮はどうもそうでないようです。

2386299地蔵埼

 ここでの「叱られる」の定義は感情的な問題でなく、「自分の問題点を指摘してもらい、改善に役立てるための他人からのアドバイスを受けること」とします。

どうも現代は子供から大人まで叱られることがなくなったようです。
叱られなくてすむような立派な人間ばかりになったのでしょうか。

住人が思うに、ヒトを叱るようなおせっかいなお人よしは絶滅危惧種になり、「叱られる」ことに慣れてないヒトが多くなっているようなだけのような気がします。
「本当の優しさとは」ということは皆さんそれぞれ議論のあることろでしょうが、現代ではおおむね、叱って嫌われるよりも、いつもニコニコ「優しいヒト」と受け止められた方が得策なので、現代のお利口なヒトはあえて叱りません。

「叱る」、「叱られる」も人間的な係わり合いのひとつだと思うのですが、どうやら全ての面で人間とかかわりあうのが苦手(面倒?)になりつつあるのでしょうか。

叱られることに慣れていない人たちを見ていると、みんな素直ないいヒトばかりです。彼らはどうやら、「叱られる」でなく、「問題点を指摘されただけ」でも、全てを一度正面で受け止めるのですが、指摘を攻撃と勘違いして、混乱してしまい、パニックになってしまい、自分の全人格を否定されたように思い、その指摘した人物にはそれ以降、動物的本能で近づこうとしないようです。

もうひとつの問題点は、「叱られた」と感じるか、「怒られた」と感じるかはあくまでも、受け手の感じ方次第(主観)であり、人によって捉え方は違うということです。
叱ったつもりでも、受け手は怒られたと感じることが多いのではないでしょうか。
どうやらこの人たちは指摘を「自分のためを思って言ってくれている」とクールにとらえることができず、「自分を攻撃してくる敵」と捉えがちのようです。
現代人の心理には 根本に「自分以外のヒトはみな性悪説」という考えと世の中に対する不審がはびこっているのでしょうか。

 住人は 人様に忠告するようなこともありませんが、現代社会において相手への言葉遣いにはよほど気をつけないといけなくなったような気がします。忠告したら刺されるかもしれない世の中ですから。
このことが、ますます世の人たちの「ヒトと関わりを持ちたくない」という気持ちを増強しているような気がします。
この連鎖はどうすれば断ち切れるのでしょうか。人と関わりを持たずには生きてゆけないのが世の中だとしたら、人とうまく関わることができた方が得策です。
 現在の状況は 神が人間の言葉を混乱させ、互いの言葉が聞き分けられぬようにしてしまった以降のバベルの塔のような状況と考えます。「叱る」、「叱られる」にも双方のコミュニケーション能力が求められます。

 日本人全員が叱られることのない、しかも平和な時代が来れば本当によいのですが。
そして、住人は何歳になっても叱ってくれる人が周囲に多くいることを感謝する次第です。
けれども、実際叱られた時に、即座に「叱られて感謝する」というのは住人にとってかなり修行しないと到達できない境地であることも事実です。

参考HP>>> 叱ると怒るとはどう違う<テレビ寺子屋>


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