SSブログ

歯と子育て4(3歳以降Ⅰ) [歯の話]

 3歳を過ぎると、かなり精神的にも肉体的にも成長してきてきます。今日は虫歯予防とメンタルなお話を少しいたします。

お子さんの成長や生活習慣、虫歯の有無などを確認する3歳児検診があります。
20本の乳歯が生えそろい、かみ合わせがきちんとできているか、またむし歯になりやすいのか、などをチェックします。

 1歳半検診では近年、虫歯のあるお子さんはほとんどいませんが、3歳児検診ではお口の中にちらほら虫歯が見受けられることがあります。
3歳児のむし歯の状況をみると、これから先のお口の状況を推測できます。3歳児検診は保護者の方にとって、歯の健康や育児の方法を見直すよい機会になります。

 3歳までは聞き分けがありませんので、治療をお利口に上手になんてことを求めること自体無理な話ですが、3歳を過ぎるころになると歯科医やお母さんの言うことが理解できるようになり、次第に治療にも協力してくれるようになります。(お子さんの成長には個人差がありますし、個性もあります。)

2368617法隆寺中門

 乳歯のむしばの場合、まずおく歯のかみ合わせの溝が最初に2654small_thumb.JPG虫歯になりやすい部位です。
次に奥歯の歯と歯の間が虫歯になりやすのです。(幼稚園くらいになって可能なら奥歯のレントゲンを撮って歯と歯の間の虫歯の確認をしたほうが良いです。)

乳歯の奥歯の噛み合わせは、複雑な形をしていて、その溝はとても細い隙間になっています。

 しかも生えて間もない歯のエナメル質は未成熟で、むし歯になりやすいのです。また上下の歯がかみ合うまでは、特に歯垢がたまりやすい状態です。

シーラントというのは、あらかじめ、この溝を合成樹脂で埋めてしまう予防処置です。
つまり、むし歯でないところを未然につめておく方法であり、むし歯の治療とは異なります。
  シーラントは歯に接着するレジンという材料を用いて行うことが多く、きちんと歯に接着させるためには、歯を十分乾燥した状態で塗布する必要があります。我が家ではラバーダムという方法を用いて防湿を行ってシーラントを行っています。
シーラントは奥歯の溝の虫歯予防には大変有効な方法です。ただし、歯と歯の間の虫歯は予防できませんので、歯と歯の間はフロスでクリーニングしてあげる必要があります。 シーラントを行った歯にフッ素を応用するとさらに効果的です。

3歳過ぎたら指しやぶりに注意
小さな赤ちゃんの指しゃぶりは、動きが活発になるにつれ、たいてい自然にとれるものですが、中には3歳、4歳になっても頻繁に指しゃぶりをするお子さんもいます。
そうなると、歯並びやあごの形に影響することがあります。
 幼稚園や保育園への入園をきっかけにして子供さんとよく話してやめるように仕向けましょう。指しゃぶりをする場合メンタルな面の原因があればその除去が大切です。
おしゃぶりの長期使用と同様、指しゃぶりを3,4歳を過ぎても続けていると、上あごの前歯が前に出て、上下切歯がかみ合わず隙間ができて開咬となったりします。

ただし、4歳頃までに指しゃぶりをやめれば、自然に治ることもあります。
 食物を飲み込む時や発音時にこれらの隙間を埋めるように舌を突き出す癖(舌突出癖)が定着してしまうと、母親や歯科医が注意するだけではなかなか治りません。開口になってしまうと、見た目が悪いだけでなく、咬合病や発音障害を起こします。

 指しゃぶりは、子どもの心と体の発達において、通過しなければならない道の一つと考えられていますが、子どもにとって精神的な満足を得る手段を増やしたり、外遊びなどを通じて社会性を豊かにすることにより、3歳ぐらいまでには指しゃぶりを卒業するのが好ましいといえます。
 子供も3歳くらいになると、自分でも指しゃぶりをやめたいと思うようです。その時をとらえて励まして下さい。あまり口やかましく「やめなさい」というと、効果がないばかりか子供を精神的に追い込んでしまうことがあります。かくれて指を吸ったり、やめたとしても、爪かみ、チックといった精神症状があらわれることがあります。
 外でよく遊ばせる、スキンシップを多くする、眠るときは手を握ってお話しをしてあげるなど、工夫が必要です。

 メンタルな面で少し横道にそれますが、幼稚園になるとかなりお利口になります。
お子さんの成長に伴い、想像力が豊かになりいろいろな想像力を働かせるようになります。お友達が「歯医者に行って痛かった。」とか「自分は上手にできた」と聞いただけでもいろいろと想像してしまうようになります。そんなお子さんをしかる時の口実に
「悪いことしたら歯医者さんで注射してもらうよ」は絶対にタブーです。
それでなくても病院は恐怖の対象なのに、さらに親御さんが、子供さんに恐怖を刷り込んで病院嫌いを増長させてしまいます。
子供さんにしてみれば、知らず知らずに親御さんから、「病院は怖くて、痛くて、・・・」とマイナスのイメージを刷り込まれているのです。

「歯医者さんに行こう」という話になったとき、ご家庭では 子供さんから  「どうやって虫歯をやっつけるの?」とか、「痛い?」とか保護者の方にいろいろと聞いてくると思います。(半分やりたくないので保護者の方を困らせて、時間稼ぎの質問も入っています)
横からおにいちゃんが「キーンと痛いぞー」と脅すかもしれません。
そんな時は
「お母さんより歯医者さんがお口のプロだから、歯医者さんに聞いてみて」
「XXX先生は痛くしないで治療してくれるから、大丈夫」
「みんなあなたの虫歯が治っておいしいケーキを食べてほしいから、お母さんも、歯医者さんもあなたのことを応援しているのよ」
「お父さんも歯医者さんで治療してもらったから、おいしいケーキが食べられる」
などと応援してあげてください。
お子さんのためなら、「上手にできたらXXを買ってあげる」もありだと住人は考えます。

だめな父親でも子供の前では けなしてはいけないのと同様、子供の前では 歯医者さんを持ち上げておいてください。

だめな父親で歯医者の住人よりお願いです。

参考HP

北九州市歯科医師会

※住人は小児歯科専門医ではありません。ご了承下さい。

法隆寺


nice!(0) 
共通テーマ:育児

nice! 0



この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。