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都会の空気、田舎の空気 [エッセイ]

 住人は 人ごみが大変苦手である。だから、買い物は開店直後を狙ってさっさと済ませるようにしている。

しかしながら、山奥に引きこもっていると、無性に都会の空気を吸いたい衝動に駆られることがある。

 先日も天気の良い休日に福岡市天神をぶらっとしたのだが、住人が約20年前によくうろうろしていた頃とはかなり違ってきている。
地下街など渡辺通りに沿った縦のとおりだけでなく、各百貨店を結んだ横の広がりを見せていて、迷いそうになる。
おそらく、40年前、50年前、100年前の天神は今の様子とは かなり違っていたのであろう。

住人の父が、子供のときの修学旅行か何かで、大宰府に行くのに天神から電車に乗ったということを聞いたことをふと思い出した。

それにしても人間が都会を開発する熱意というのはすごいものである。利益を生む場所はドンドン栄える。

ところで、 警固公園から西通りに抜ける路の袂に、心臓刺激伝導系発見者田原淳先生住居之址と銘打たれた記念碑がひっそりと建っている。

 田原淳(たはら すなお)(1873-1927)先生は、元九州大学医学部病理学の教授であり、温泉治療学研究所の初代所長でもある。 ドイツ留学中の1906年には心電図法の確立やペースメーカーの開発の基礎となる偉業だと言われている、田原結節(刺激伝導系) の発見した偉人である。

 今となっては天神のど真ん中であり、当時の自宅の様子を想像するのは、想像力の貧困な住人にとって困難である。

 一通りデパ地下を物色し、ハイカラな物に子供とともに感嘆しながら、先日涙を流しながら見たユーハイムのバームクーヘン(NHK 歴史秘話ヒストリア)を心して頂くために買って帰ってきた。

都会の喧騒の空気を吸ってから、山奥に帰宅し、ほっと一息ついたときの空気は又格別にうまい。

   2497040平尾台 千仏鍾乳洞


タグ:都会
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