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この世から病気はなくせるのか? [世の中のからくり]

  次回に1冊の本をお勧めしようと思うのですが、今回は紹介する前に住人がこれまで考えたことを述べたいと思います。まとまっていませんがご容赦下さい。

前にも書きましたが、住人は
動物が行動をおこす動機は
1、痛みを避けたい
2、快楽を得たい
であり、人間も基本的に動物であると、思っています。

病気は四苦のひとつであり、誰しも嫌です。かかりたいと思う人はいないのではないでしょうか。
病気の治療にしても「「治療することで被るデメリットや痛みよりも治療後のメリットの方が大きいから、がんばって治療しよう」という考えが働くのではないでしょうか。
医学の進歩の究極の目的はこの世から病気を駆逐することです。
だけど、ちょっと考えてみてください。世の中健康な人が増えて、病気は減っているでしょうか。

減ってないとしたらなぜ減らないのでしょうか。

  頭の毛の量の問題から、男性の下半身の問題も病気としてテレビCMになっています。また、近年多くの耳慣れない病名がテレビ番組などに出てきます。
  素直に受け取れば、医学の進歩によりどんどん新しい病気が発見されてきたのでしょう。人の平均寿命が延びたのも一因かもしれません。医学の進歩に伴い、医学のターゲットとする病気が、生死を左右するような病気から、生活の質を高めることに広がってきたのかもしれません。医学の進歩にともない、新しい治療法が発明され、皆さんの悩みが解決されて、ドンドン快適で幸せな世の中になっているのであればすばらしいことです。

でも本当にそうなっておりますでしょうか。大方そうなっているといえると思いますが、一部ひずみが出てきているようにも思います。

XXは病気です。お薬を飲めば治ります。お医者さんに相談してください。
一見困った人を助けるための非営利の広報活動のように見えますが、皆さんはどう受け止めておられますか。後ろに製薬会社が見え隠れしてますよね。
 今までは製薬会社はお医者様に営業活動してお薬を買ってもらい、お医者様は病気の患者さんが来院するのを待つという、いわば待ちのスタンスでした。
 最近では、製薬会社がエンドユーザーである皆さんに直接テレビCMなどで営業し、来院を促す。来院患者が増えて、お医者様が自分の会社の商品を使ってくれれば、結果的に自分の会社が儲かる。つまり攻めのスタンスに換わったように思います。
マスコミの影響力は絶大ですから、売り上げは格段に伸びていることともいます。このカラクリを考えた人はある意味すごいです。

2496773山口市清水時

  話は変わりますが、近代の自然科学は養老さんや福岡さんが言っているように物体や事象を分類することから進歩してきました。
解剖学はまさに人間の臓器、組織を細かく区別(分類)するし、病気もその研究が進むにつれ、細かく分類されるようになります。
うつ病、躁うつ病と呼ばれていたものも、現在では細かく分類されているようです。
アスペルガー症候群という病名を聞いたことがありますでしょうか。徐々に一般的になりつつある病名ですが、耳新しい方がほとんどではないでしょうか。

日々、今まで病気と解釈されていなかったものが病気として組み込まれ、病気はさらに細分化され、病気の名前は増え続けているような気がします。

 医学の進歩やお薬の開発の人類への貢献はここで論ずるまでもなく、非常に大きいものがあります。病気で苦しまれている方のお気持ちはお察しします。本当の苦しみはご本人しかわからないものであり、このブログを読んで気分を害される方もおられるかもしれません。
無知で、器量の小さな人間の戯言と無視していただきたい。
また、医師の皆さんを誹謗中傷するものでもありません。

話をもどしますが、
健康と病気の間は全て明確に線引きできるのでしょうか、その根拠はどうなっているのだろうか。
誰が決めているのでしょうか。
境目は必ず線が引けるようなものでなく、グレーゾーンのはずだと思います。
例えば、
血圧に血糖値、コレステロール、性格に至るまで、全て数値が正常な人と異常な人が日本にどのくらいいて、数値が異常な人のうちどのくらいの人が不幸にも発症しているのでしょうか。
病気になりたいという人はいませんが、病気が増えれば、儲かる人は確実にいるのです。
検査値の数値を厳しくすれば、今まで病気でなかった人も、病気になります。そうすれば結果的にお薬はたくさん売れます。

視点を変えてみましょう。
胸が痛いです→ 狭心症のお薬出しましょう。
夜眠れない→眠れるようにお薬出しましょう。
気分が落ち込む→うつのお薬出しましょう。
多くの場合患者さんが症状を訴えるとお薬がでます。

この場合、お薬がほしい患者さんとお薬を出してもあまり問題となることがないお医者さんの思いが一致するので、トラブルにはなりません。
 患者さんと摩擦が生じるかもしれないのに、そして、自分も儲からないのに「いやあなたはお薬は必要ない」と言ってくださる先生はほんとにすばらしいと思います。
なぜなら、お薬を出さなくて、非難されることはあっても、お薬を出して非難されることはまずありませんし、お薬を飲んだことによるトラブルは製薬会社の責任になります。お薬を出さなくてよいと判断した場合、責任は判断した医師にあると思います。
以上のような理由で、日本では患者さんが望めばお薬がもらえるように思います。
このからくりで、日本人はドンドン病気が増えているように思います。

我が家で、中高年の方に問診すると片手くらいの病名が出てくるのは珍しくありません。年々増えていると思います。
また、面白いのは同じ病気であっても、医療機関によって、お薬の量に明らかな差が見られることです。
そしてもっと面白いには、「お薬をくれない。注射を打ってくれない」ということがその医療機関のマイナス評価になっている場合すらあるようです。

 「自分の不具合の病名が判らない」ということで、お悩みだった方が、医師から「あなたはXXXですよ」と病名を告げられると「やはり自分は病気だった」と認められたような安堵感みたいなものがあるようです。逆に「気のせい」や「年齢のせい」にされることや「あなたは病気ではない」と言われることは納得がいかないようです。

「歯がしみる(痛い)といっているのに虫歯の治療をしてくれない。」→「私の気持ちをわかってくれない」となりがちです。
「知覚過敏のお薬を塗りましょう」という先生もいるかもしれませんし、歯の神経を取ってしまう先生もいるかもしれません。
 たとえそれが現在原因不明で治療法の見つかっていない病気でも、病名を告げられることで、納得する面があるようです。
 また、病名を告げられたとたん、その病気に心身ともになりきってしまう面もあるような気がします。

 ヒアルロン酸などの健康サプリメントは除いても、明確な病名もないまま、市販のお薬を飲み続けている方もいます。例えば、若年者の女性で、日常的に痛み止めを飲み続けている方がけっこういらっしゃいます。
生理痛など住人が納得するような明確な理由がないにもかかわらずです。痛みに関しては、客観的に数値化するのが難しいので、本人が痛ければ、痛いということになるのですが、このような方は一生痛み止めを飲み続けてゆくのでしょうか。
痛み止めがこれだけ安く、広く出回る前の人は同じような痛みにどの様に対処していたのでしょうか。痛いけど我慢していたのでしょうか、それともそもそも、痛みとして感じていなかったのでしょうか。
 歯科治療で麻酔はつきものです。しかし100%安全なものでもありません。アトピーなどアレルギー疾患の患者さんが増えて、麻酔をすることのリスクは0ではないのですが、「痛くなく」という要求の高まりで、麻酔をする小児の頻度は昔より高くなっているように思います。

逆に誤った情報やご自身のこだわりなどに固執して、善意のお医者様が治療を勧めたり、お薬を出そうとしても、かたくなに拒む患者さんもおられるようです。
患者さんとお医者様の信頼関係とコミュニケーション能力不足で、病状が改善しないのはお互いに不幸なことです。

禅では病気のことを不安というそうです。
バランスが壊れて不安定になることがゆえんでしょうか?
病気のない世界を誰しも望んでいると思います。

薬に例えていうなら、薬を売りたい人と、薬がほしい人がいる限り、薬はなくなりません。

今後も様々な病気が克服されてゆくことでしょう。けれども、わかっていないことも沢山あるのも事実です。治療したりお薬を飲んでも病状が改善しなかったり、患者さんに満足していただけなかったりするかもしれません。

人間の不安つまり病気はなくなるのでしょうか。

清水寺


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