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歯と子育て5(3歳以降Ⅱ) [歯の話]

 住人は まだ子育てが終わったわけではなく、よそ様にとやかく言う資格はないのですが、最近はうまく飲み込めないお子さんが増えています。前回に引き続き大きなお世話ですが、本日はよくかむことの大切さを中心にお話します。

 脳梗塞などで嚥下障害(うまく飲み込めない障害)が起こることがあります。そのような場合はリハビリをしながら、自分の口で噛んで飲み込むリハビリが必要になります。
経管栄養など特殊な状況を除き、咀嚼、嚥下は一生必要なものであり、食べることの楽しみは人生を豊かなものにしてくれます。生涯自分の歯で健康に食生活を送るために歯はとても大事です。老後まで健康なお口で楽しく過ごすためには、子供の頃から食材の大きさ、硬さなどを工夫してゆっくりとよく噛んで食べる習慣をつけることが大切です。

ゆっくりとよく噛むことによって、アゴや歯ぐきが鍛えられ丈夫になり、だ液の分泌がよくなり、口の中の病気を防ぎ、消化も助けます。また、食事量が少なくても満足感が得られ、生活習慣病の中でも肥満や糖尿病の予防が可能となります。
時間をかけてよく噛んで食事をすることで、満腹中枢に刺激が加わり満腹感が得られるので、ダイエットになるのです。また、ガンなどの引き金になる活性酸素を減らす作用もあるので、体によい事は科学的に証明されているようです。

2368618法隆寺金堂

 よくかむ習慣が身につかず、あごの成長が不十分だと、見た目はスリムでよいかもしれませんが、乳歯と比べて大きく、本数が多い永久歯がきれいに並ぶことはできません。
つまり、きれいな歯並びのためには、乳歯の時期からよく噛んで、口やあごの骨格の基礎をつくることが大切です。
成長発育中のお子さんのあごは、よく噛むことで大きく育つのです。

 「あごが小さいのは生まれつきで‥・という親御さんも多いのですが、お子さんの骨格は使うことで必ず発達し、使わなければ育ちません。遺伝の影響は確かにありますが、ご両親より身長が高いお子さんはたくさんいますよね。
 最近の研究では、永久歯に生え変わる頃でも、あごの幅が広くなることが報告されました。
よくかむことが、健康な体づくりのスタートです。

生活習慣病は大人だけの問題ではありません。
小さい時に培われた食習慣や嗜好は成人してもなかなか変えることができず、その人に影響を与え続けます。
例えば、噛まずに飲み込んでしまう早食いは習慣になってしまうとなかなか変えることができません。そして、子どもの食生活で、「食べ方」が早食いや噛まずに丸のみするような食べ方は、小児肥満の原因となるばかりでなく、大人になってから生活習慣病につながることにもなります。

 子どもの頃からしっかり噛んでゆっくり食べる習慣を身につけましょう。
こんにゃくゼリーでの窒息事故は不幸な事件でした。誰が悪いわけでもないと思うのですが、窒息しやすい食品を食べる場合には、十分に咀嚼(そしゃく)して食べ物を細かくするとともに狭い咽頭を通りやすいようにだ液と十分に混ぜることが重要です。
ゼリーのほかにも、乾燥したパンや豆、お餅、喉に貼りつきやすい海草は注意が必要です。

小学校になって悪ふざけなどで食べ物を喉に詰まらせるのは本当に不幸なことです。
そうなる前に、「これ以上口に入れると危険」とか「この食材は注意が必要」などということを子供たちに徐々に学習してもらう必要があると思います。「小刀は危ないので持たせない」的な発想でなく、「自分の限度を理解するためにも子どもの頃からいろいろな食材、(たくさんの種類、大きさ、硬さ)のものを食べましょう。

噛む8大効用。
1、肥満を防ぐ
2、味覚の発達を促す
3、発音をはっきりさせる
4、脳の働きを活発にする
5、歯の病気を防ぎ口臭を少なくする
6、ガンを防ぐ
7、胃腸の働きを促進する
8、全身の体力向上とストレス解消。

●おはしやスプーンなどを持たない手は食器が動かないように支える手として使いましょう
●お箸を使うときには食器(お茶碗)を持って、身体の正面で食べましょう
●飲み込んで口の中が空になってから、次の食べ物を摂り込みましょう
●食べ物を一口入れたら箸(はし)を置いて、いつもより5回多く噛むようにしましょう。目標は一口30回噛むことです。(住人もなかなかできていないのでメタボです) よく噛んで味わう食べ方で窒息などの危険を防止しましょう
●よく噛むとだ液が多く出て食べ物の味が広がり味覚が感じられやすくなります
●異物発見もよく噛むことで可能になります
●よく噛んで、丸のみしないことが窒息予防の第一歩です
●子どもの頃から、野菜や果物を摂り、食べ物の好みを偏らせないようにすることで、カルシウム、ビタミンやミネラル、食物繊維を積極的に摂るように心がけましょう
●子どもの成長にはバランスの取れた食生活が不可欠です
●楽しく食べることで、心が落ち着き、生活の質(QOL)が向上します
●カルシウムは身体づくりに欠かせない要素ですが、日本人はカルシウムが不足しがちなのでしっかり取りましょう。

参考文献
食育と子供の健康 財団法人8020推進財団

参考HP

8020日歯TV第15回「食べ方」を通した食育

唾液 活性酸素を撃退>>> http://www.yomiuri.co.jp/iryou/medi/plus/20081210-OYT8T00311.htm

法隆寺


タグ:育児 嚥下
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