お宅訪問 (渡岸寺観音堂) [見仏]
琵琶湖の中に竹生島という島があり、そこに宝厳寺(西国三十三所札所めぐり第三十番札所)とうお寺がある。
その秘仏、千手千眼観世音菩薩さんが60年に1度の御開扉(前回の御開扉は昭和53年、但し平成12年に三重塔落慶の記念として数日間特別開扉がありました。よく判らん間隔だが)と知り、先日、琵琶湖の湖北の仏像めぐりをしてきた。(前置きにしては長いのだが今回はその話ではない)
その中で、彼岸寺観音堂(向源寺)というお寺を訪ねたときのことである。
こちらの十一面観音像は国宝で、他のお寺と同様本堂の脇の収蔵庫に安置されておられた。
収蔵庫に入ってみると想像以上の人だかりが観音様の周囲を取り巻いていたのでちょっとびっくりしながら、お顔を拝んだ。どうもどこかでお目にかかったような気がする。
十一面観音様は大体同じような顔立ちなのでどこも同じよ。と言われればそれまでなのだが、この端正なお顔はそう世間にザラにはおられない。
うーんと考えていると、庫内で説明している男性の方の言葉の端に「東京の国立博物館・・・うんぬん・・・かんぬん」
思い出した!。
2006年に東京国立博物館で開催された、「仏像 一木(いちぼく)にこめられた祈り」に出演された仏様である。
出演したどころか、住人はまだ持っているが、当時のパンフレットや入場券の半券を飾った観音様である。いわば、観音界のトップグラビアアイドルである。
東京で開催された国際学会に参加したついでに、見学したのだが、当然博物館ではスポットライトを浴びて輝いておられた。
今回もあまり予習もせずに向源寺を訪問したのだが、ご縁あって(勝手ににそう思っている)そうとは知らずに仏像界のアイドルのお宅を訪問していたのである。かえって感動ものであった。
あの時は 華やかなスポットライトを浴びたアイドル然としていた観音様であったが、お寺のある(役場や学校、宅地、農地が混在する)周囲の雰囲気からか、ご自宅でおくつろぎになっているような感じだった。
ご自宅にも多くの参観希望者が押しかけるので、ゆっくりはできないのであろうが・・・
我が家に帰って図録を見直すとやはりあの観音様であった。
http://event.yomiuri.co.jp/2006/butsuzo/kannon.htm
参考HP
仏像は博物館で見るよりも現場で見るに越したことはない >>>http://onoki.blog.so-net.ne.jp/2008-09-04
浮城特別鑑賞講座 湖国“モノ”語り」の第3回「近江の観音-慈悲の仏->>> http://kokokumonogatari.shiga-saku.net/e71864.html
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