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歯と子育て3 1~3歳編 [歯の話]

 季節柄、小学校や幼稚園では歯科検診が行われているのではないでしょうか。前回も述べたように住人はダメパパで子育てや子供の歯磨きについてえらそうなことを言う資格はありません。子供が歯科検診を受ける時は子供以上にその結果にヒヤヒヤしています。

しかし近年、食べ物や飲み物を上手に食べたり飲んだりすることすらできないお子さんが増えています。どうしてこんなことになったのか考えてみたいと思います。小児歯科専門医ではありませんが、皆さんのお役に立てればと思い、前回の続きです。

●1歳を過ぎて上下前歯が生えたら、離乳食をスプーンで運ぶ時の一口量を学びましょう。
適当な量をお口に運んで、アムアムして、飲みこむことを毎日の食事で、トレーニングすることが大切です。食べ物をのせたスプーンはお口に入れたら、上唇でとらえて、上唇の動きで口の中へとり込ませましょう。

●規則正しい生活習慣を身につける
早寝早起き朝ごはんの習慣を身につけ、楽しく毎日の食事ができるようにします。
栄養のバランスや適度な噛みごたえのある食品をとることは言うまでもありません。あまり最初から硬いものを噛ませるのも好ましくありません。


●ごはんなどの穀類をしっかりと
最近の食生活は、ごはんなどの炭水化物が減る一方で、肉類などの脂質の摂取量が増えつつあります。
脂質の摂りすぎはメタボの予防のためにも気をつけなければなりません。
そのためにも主食としての穀類を毎食きちんと摂ることが必要です。その結果、健康で好ましい生活習慣が形成されます。お米は穀類の中でも日本の風土・気候に合っていて、自給可能な作物であり、日本人にはお米の食生活が適しています。
小さい時の食習慣は一度出来上がってしまうとなかなか改善できません。お子さんをメタボにしないためには最初が肝心です。

●子どもの頃の食生活が将来の味覚に影響します。
子どもの頃から薄味に慣れておきましょう。甘いものの摂りすぎは肥満のもと、塩分の摂りすぎは高血圧のもとです。
ファストフードや外食は濃い味付けが多いので、家庭でできるだけ薄味のものを食べさせるようにしましょう。
薄味の食品をしっかりと噛(か)んで食べることで、食べ物本来の味を楽しむことができます。子どもの頃からしっかりと噛んで食べることを覚えましょう。

●おやつは時間と量を決めて
おやつは、与えてもかまいませんが、その代わり食べた後は歯ブラシ!
手軽なスナック菓子、清涼飲料水ばかり食べさせるのは問題です。

2366963法起寺

 食後の歯磨きはお子さんをあお向けに寝かせ、頭をひざに乗せます。頭のてっぺん側からお口を覗き込むようにして磨いてあげましょう。
上下のくちびるを開き、よく歯が見えるようにします。楽しく、やさしく、みがきます。
歯ブラシの持ち方は鉛筆を持つようにして、歯ブラシを歯に当てたら やさしく軽い力で小刻みにみがいてあげましょう。(磨くというより振動させるイメージです。)
とくに、歯と歯ぐきのさかい目、歯と歯のあいだ、歯のかみ合う溝のなかに、汚れがたまりやすくなっています。

 歯ブラシは、ヘッドが小さく、毛先の短めのものを選びます。歯と歯の間はデンタルフロスを時々使用して汚れを取ると虫歯予防に効果的です。
乳幼児用から年代に応じてお勧めの歯ブラシがありますので詳しくはかかりつけの歯科医にご相談ください。
みがく順番を決め、みがき残しのないようにします。ペーストなどつけなくてもプラークを落とすことが大切です。

本人が歯ブラシをくわえて遊ぶのはかまいませんが、一日1度、寝る前で結構ですからしっかり保護者の方が磨いて上げましょう。
保護者の方で「子供は自分でくわえて磨いていますが、私にはなかなか磨かせてくれません。」と相談される方がおられます。
私が思うに、しっこやウンチのしつけと同じだと思います。うまく仕向けなければ、いつまでも歯磨きさせてくれません。だってお母さんやお父さんも歯磨き苦手な方は結構いらっしゃるでしょう。
 一日一回寝る前だけでも結構です。「これをしないと寝れないんだよ」という気持ちでお子さんと向き合ってみてください。飴とムチの使い分けが大切です。上手にできたら、愛情たっぷりほめてあげましょう。どうしても磨かせてくれない場合は ガーゼで汚れをふき取ることから始めましょう。

長女、長男はものめずらしさも手伝って大切に育てられますが、次男、次女、三男、三女・・・となると大変なのはお察しします。住人もできてません。
長男、長女よりも次男、次女の方がむし歯になりやすいと思います。これは、お兄ちゃんやお姉ちゃんよりお菓子が比較的早い時期から口に入ること(だっておにいちゃんやお姉ちゃんが食べてたら、弟や妹も食べたくなりますよね。)と、歯磨きが長男、長女ほど十分でないからのような気がします。

 1歳6カ月になると、上下の前歯12本と奥歯4本の乳歯が生えてきます。1歳6カ月健診が各医療機関で受けられます。生えている歯の数と種類、むし歯や汚れの状態、かみ合わせの状態などをチェックします。

 この時点でむし歯をもっているお子さんは少ないのですが、3歳児検診の時には、むし歯がちらほらできています。

3歳を過ぎると精神的にもおりこうさんになって、むし歯の治療の意味や「この人(歯医者さん)は悪い人ではない」ということなど理解してくれるようになりますので、最初は泣くかも知れませんが、次第に治療に協力してくれるようになります。
しかしながら、3歳未満ののお子さんはそういうわけには行きませんので、大変です。
小さい時から 歯ブラシが口の中の隅々に入ることに慣れてないお子さんは、大きくなっても歯医者さんで、虫歯の治療のために器具がお口に入ることだけでも拒否反応を示すことが多く(歯磨きができてないからむし歯になるのですが・・・)、お口を開けてくれなかったり、「おうぇー」となったり(嘔吐)します。日々保護者の方がしっかり見てあげて、手入れしてあげることが、ご本人のためであり、保護者の方にとっても得策です。

乳歯は、永久歯が健全で正しい歯ならびで生えるためのリード役です。はえかわるからと、安心してはいけません。
乳歯のむし歯は永久歯の歯並びやお子さんの発音に影響します。普段のお母さんのチェックと歯科医院での定期健診を受けましょう。

むし歯も生活習慣病
 歯に付着したむし歯菌は糖分を分解して酸をつくり、この酸が歯の表面からカルシウムなどのミネラル成分を溶かし出します(脱灰)。
 ただ、一旦溶け出した歯のミネラル成分も、歯の表面の酸がだ液などによって洗い流されると、徐々にだ液中のカルシウムなどが再び取り込まれて元に戻ります(再石灰化)。食後に十分時間がとれていれば、だ液の修復力が働きますが、だらだら間食をして、いづも口の中に食べ物がある状態では溶け出すミネラル成分の方が多くなり、歯はだんだん溶けて穴があいてむし歯になってしまうのです。
時間を決めて食事やおやつをとることが大切です。そしてこのだ液の修復力(再石灰化)を活用するためには、よく噛むことによってだ液の分泌を高めることが重要です。
 生えて間もない歯は 歯としては未完成です。フッ素の含まれた食材(小魚、海草、緑茶など)を取ることで、歯を強化してあげましょう。保健所や医療機関で定期的にフッ素塗布するのもひとつの方法です。
 ブクブクうがいが上手に出来るようになったら、フッ素入りの洗口剤でうがいしたり、フッ素の入っている歯磨きペーストをつけてみがくようにしましょう。フッ素を使用するのはひざの上での歯磨きが終わった後です。これは洗面所でかまいません。うがいの練習は まず初めに口に含んだ水を吐き出す練習から始めてみてください。
お風呂にはいった時なら、服を濡らす心配もありません。

今日の一言
育てたように子は育つ。子供は親の鏡。一方、親はなくとも子は育つとも言う。

あまりナーバスにならずに、でも真剣に子供さんと向き合って、子育てが楽しめるといいですね。


 

つづく

参考HP

8020日歯TV第15回「食べ方」を通した食育

お口の健康お勧めグッズ

北九州市歯科医師会HP http://www.kitaq-da.or.jp/index.phtml

 

法起寺と秋桜


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