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歯科医の使命とインプラント [歯の話]

  歯科医の使命は言うまでもなく、皆さんのお口の健康を増進することで皆さんにハッピーになってもらうことである。そのためにはご自身の臓器である歯を抜かずにすむようにすることに歯科医は最大限の努力を払うべきである。だから、その目的のために虫歯の治療や歯周病の治療や予防処置が大切である。

  さて、デンタルインプラントは今までの歯科の治療を大転換させたといってよいと思う。
昔は歯の治療をしても、歯の数は減ることはあっても増えることはなかったのである。いつものように「おみこし担ぎ」に例えると、今までの歯科治療は担ぎ手がいったん減ってしまえばその後増員されることはなかったのである。ところがインプラントが導入されてからは担ぎ手の増員が可能になったのである。
これは患者さんにとっておおきな福音である。我が家でもそうであるが、インプラント治療を導入している開業医はかなり増えてきており、インプラントを植えるための骨を作ったり、「より美しく」といったところが治療としては大変だが、インプラントを植えるという治療そのものはもう特別なものではなくなってきている。

ところが近年、「この歯は治療しても長持ちしないので抜いてインプラントにしましょう」という歯科医がいるようなことを耳にする。
もちろん状況のわからないものがその歯科医をどうこう言う権利はない。確かに、非常に問題を抱えた歯を無理して残すよりは 抜いてしまってインプラントにする方が再治療の可能性が減り、お口全体として健康が保てる場合もあると思う。
歯科医が歯を抜かないで治療することにこだわるあまり、時間をかけて治療したにもかかわらず、問題が残ったままの歯を残してしまい、治療後あまり時間が経過していないのに再治療をしないといけなくなるのは患者さんにとっても迷惑なことであろう。

しかし、迷惑かどうかは患者さんの価値観の問題であり、十分相談した上で患者さんが決めるべき問題である。

2366680長谷寺のボタン

 「治療した歯が長持ちしなくても自分の臓器である歯を抜くのでなく、出来うる限りの治療してもらいたい」と患者さんが望むのであれば、歯科医は当然歯を抜かず、残った歯のリスクが減るように最大限の努力を払うべきである。
自分が治療したり、修復した修復物が長持ちしないからという理由で歯を取ってしまい。修復物であるインプラントを入れるというのは歯科医の使命からしていかがなものだろう。何のために、誰のために治療しているかが怪しくなってくる。
歯科医の使命は修復物を長持ちすさせることももちろんだが、歯を守り、残すことの方がより高次元の使命であるはずである。
修復物の寿命を優先させるために歯を抜くというのであれば歯科医の使命は「歯ではなく修復物を長持ちさせること」となってしまう。もちろん治療期間や経済的問題などで、患者さんが「歯を抜いてインプラントにする」ことを希望しているのであれば話は別である。
 多少乱暴な議論であるが、「弱いまたは問題のある歯は抜いて入れ替える」の「歯」を「ヒト」に置き換えると この発想が危険であることを理解して頂けるのではないでしょうか。(「歯とヒトではレベルが違う」といわれればそれまでですが。)

「抜いてインプラント」といわれた場合、「抜かないで治寮した場合どのような不利益になるのか」「今抜かないとどのような不利益になるのか」遠慮なく尋ねてみることをお勧めします。確かに抜かずに残したために将来インプラントをする時により困難になる場合もあります。住人の口の中にも問題はあるが腫れたりしないので、抜かずに何とか20年以上付き合っている歯があります。(トラブルが起こればインプラントを誰か他の先生にしてもらうでしょう。)
今回の議論も「インプラントが絶対よい」とか、「絶対悪い」とか、「歯は絶対抜いてはだめ」とか「抜いてインプラントにするのは絶対悪である」とかいったものではありません。

 よく電話でインプラントなどの費用を聞いてくる方がおられる。その価値観を否定するものではないが、こういった歯医者さん選びはあまりお勧めしない。早く自分と気の合う歯医者を見つけることである。
 言うまでもなく、歯科医が100人いれば100の価値観があり、患者さんが100人いればその価値観も100の違いがある。価値観が近い歯科医を見つけることが大切であり、そのためには十分歯科医と相談して下さい。    矛盾しているかもしれませんが、歯科医と相談し、十分考慮していただき、ほどほどのところで、あまり思いつめずに治療法を決定されるのが得策ではないでしょうか。やはりインプラントは高額の治療ですし、皆さん真剣に思いつめてしまいます。なぜ思いつめないほうがよいかというと、神様が創った歯が抜かないといけないことになるのですから、人間が植えたインプラントが一生持つとは思わない方がよいとおもいます。しかしながら、この「ほどほど」というのがどこなのか決めるのが意外と難しいです。

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