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山口県立美術館 「運慶流」展に行ってきました [見仏]

 一昨日の晩から住人はやや興奮気味であった。
それは山口県立美術館で開催されている「運慶流」展に行くためである。
運慶は東大寺南大門の金剛力士立像興福寺北円堂の無著、世親立像(いずれも国宝)で有名な鎌倉彫刻最高峰の仏師である。
この展覧会では運慶の父(康慶)から6代目までの運慶流の仏師の作品(仏像)を見ることが出来る。近郷の仏像ファンにはたまらない必見の大イベントである。
特に今回は今巷で話題になっている(話題にしているのは仏像ファンだけ?否、今年、海外のオークションで運慶作の大日如来が14億で落札されたことは仏像ファンでなくてもご存知ではないでしょうか)光得寺の大日如来像が主役であろうか。サブタイトルに「鎌倉南北朝の仏像と蒙古襲来」とあるように、運慶派の作品の中でも、西日本の作品が多く展示されていた。

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 以前も述べたが美術館では仏像を近くで、拝むことが出来る。ぐるっと一周して、後ろからも見ることが出来る(見られるほうはたまったものではないと思うが・・・)。しかも、これだけの仏像をそれぞれ現地でしらみつぶしに見て歩くのは住人には無理である。
もちろん従来の「ショーケース」に収められているものもあるのだが、展示の仕方も工夫されており、ガラス越しでなく直接拝することができるのも仏像ファンにはたまらないのではないだろうか。
おおむね世代の順に仏像が並べられており、時代による変遷が分りやすい様に配置されていた。
 説明文も分りやすい様に考えられている。一例をあげれば四天王(持国天、増長天、広目天、多聞天)が東西南北を守っているのだが)の展示の説明には
「東→南→西→北のじゅんに「じ→ぞう→こう→た(地蔵買うた)」と覚えればよい(マニアしかこんなの覚えないかもしれないのだが、学芸員の中にきっと仏像を愛してやまぬ方がいるのだろう)」などと解説がしてあり、堅苦しくないところが良かった。

個人的な感想は
運慶らと東国武士とのつながりは承知していたのだが、意外と九州に運慶派の仏像が多いことを知ったこと、(特に入場して最初に待ち構えている金剛力士像が北九州市小倉南区蒲生の大興善寺の山門に安置されているブツであったことを後で知って驚いた。)
光得寺の大日如来のX線写真で、像内に水晶珠や五輪塔とともにヒトの歯が収められていたこと、
初代運慶はやはり鋭さみたいなものがあるが、(これは時代の流行や精神、地域性が、関係するのかもしれないが)4代、5代となると、何かのっぺりと弱い感じを受けた(6代目はややもちなおしたが)ことである。個人的にはやはり早い代の作風が好きである。

 2順ほど見仏し、いつものようにミュージアムショップを物色、図説(これでいっとき楽しめる)をゲットした後、帰りに美術館からすぐの瑠璃光寺の五重の塔を紅葉をバックに見物した。今回は雪舟庭で有名な常栄寺はパスさせていただき、清水寺、龍蔵寺二つの古刹にお参りした。どちらも紅葉が大変見事であった。(早速み仏さまのご利益があった。)

 充実した展覧会だと思うので、仏像ファンでない方も近郷の方は一度山口市まで、ドライブしてみてはいかがだろう。 11月23日のNHK「新日曜美術館」アートシーン内で当展覧会が紹介されるらしいので、要復習と考えている。この特別展は佐賀でも開催されるらしい。最後に素朴な疑問、「なぜ山口県と佐賀県で、福岡県では開催されないのだろう。偶然?主催者の都合?県民性?」

お勧めの一冊No.9 「仏像―心とかたち」>>>http://onoki.blog.so-net.ne.jp/2008-12-20

仏像は博物館で見るよりも現場で見るに越したことはない>>>http://onoki.blog.so-net.ne.jp/2008-09-04

 http://wwwsoc.nii.ac.jp/jahs2/pdf-files/reikai-youshi/08-7-27-higashi-yamamoto.pdf

http://yamaguchi.keizai.biz/headline/494/

山口県立美術館


タグ:運慶 仏像
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