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患者さんからの頂き物について [エッセイ]

 我が家では患者さんからよく頂き物をする。
ケーキやお菓子、自家製のパン、漬物、庭に咲いた花、採ってきたナマコや実家から送ってきた馬刺、待合室に飾るインテリア、等々、・・・
 住人は医療という物とサービスを患者さんに提供している。その対価として代金を頂いている。代金を頂いている以上、ボランティアでも素人でもなく、プロであると自負している。
「本物のプロは代金以外に何か金品をもらおうと、もらうまいと、その仕事に差は絶対につけない」と考えている。「何か金品をもらったので、もらわないヒトより丁寧に治療する」というようなことはありえない。それがプロであると考える。
しかし、
住人もヒトの子である。
代金を頂いているにも関わらず、お褒めの言葉とともに、頂き物をすると素直にうれしい。
患者さんは「つまらんものやけど・・」と謙遜しながら、住人の見えないところで、そっと渡しているようであるが、つまらんどころか、情にもろい住人はただ感動である。
 我が家はかなり広域から患者さんがお見えになってくださる。交通費もバカになっていないはずである。にもかかわらず「頂き物までするなんて・・・」と多分その時点で涙腺が緩んでいる。

大久保 (Small).jpg

患者さんからの頂き物

 

 頂き物には患者さんの「まあまあよくやってくれました。これからも応援してるから、がんばって」という気持ちがこめられていると解釈しています。我が家は患者さんのお口の健康サポーターを目指しているのだが、実は我々のほうが患者さんから応援していただいているのである。治療内容に満足していただき、喜んでいただけた時は本当に幸せである。自分の治療で喜んでもらえて、おまけにプレゼントまでもらえれば最高の気持ちである。
「ブタもおだてりゃ何とやら」である。本当に励みになる。

 以前にも書いたが、患者さんから喜んでもらって、患者さんが喜んでいる姿を見ることが出来たときが、住人が歯医者をやっていてよかったと思える瞬間である。
物ではなくて、患者さんの気持ちがうれしいのである。
 スタッフにも、「よくお礼を言って、患者さんの気持ちを素直に頂きなさい。患者さんに喜んでもらってよかったね。」と言うようにしている。
 多分我が家のスタッフも患者さんの笑顔の瞬間に喜びとやりがいを見出してくれて、この口やかましいおっさんにも付き合ってくれているのだと、勝手に考えている。

今日も患者さんから頂いたナスを七輪で焼いて、頂いた大根で「大根おろし」して、焼いた秋刀魚にのせて、患者さんの気持ちを噛みしめながら、患者さんから頂いた焼酎すすって秋の夜を楽しみたい。
明日からもガンバローッと!

※くどいようだが最後にも断っておくが、「何かくれ」とか、「袖の下は必要」とかいった低レベルの話ではない。物をもらわなければ感謝されたかどうか分らないレベルの人間でもないつもりである。


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