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お勧めの1冊No.4 [お勧めの1冊]

イザヤ・ベンダサン
日本人とユダヤ人
角川文庫ソフィア (1971/09) ¥ 483 (税込)


 近頃「今の世の中ヘン」とか「昔の日本人と今の日本人は違う」などという言われるのを耳にします。それでは「そもそも日本人とはどんなヒト?」ということが住人には疑問としてわいてきます。
そこで、この本をご紹介ですが、うらがきをそのまま書かせていただくと、
「評論家・山本七平が、ユダヤ人イザヤ・ベンダサンとして1970年に発表し、300万部を超えるベストセラーとなった記念碑的名著。砂漠対モンスーン、遊牧民対農耕、放浪対定住、一神教対多神教など、独自の視点から展開される卓抜な日本人論。・・・・」とある。
 理系人間で高校では世界史を選択してなかった住人にはかなり難しかったし、内容の真偽を確認する能力もない。が日本人を他民族と比較することでその特殊性をわかりやすく解説している。ひとつの日本人論として住人も首肯する一冊です。

 文中に
日本人が無宗教だなどというのはうそで、日本人とは、日本教という宗教の信徒で、それは人間を基準とする宗教であるが故に、人間学はあるが神学はないひとつの宗教なのである。そしてこの宗教は、「人間とはかくあるべきだ者だ」とはっきり規定している。・・・・中略・・・・これは世界でもっとも強固な宗教である。というのは、その信徒自身すら自覚しえぬまでに浸透しきっているからである。日本教徒を他宗教に改宗さすことが可能だなどと考える人間がいたら、まさに正気の沙汰ではない。・・・
とある。いわゆる「そんなことしたら「世間」が許しませんよ」といった仲間内の明確な規範があったということでしょう。筆者が聖書、ユダヤ系の翻訳出版にたずさわっていてのコメントであるので説得力があります。
また、
日本人翻訳者の誤訳やジャーナリストの思い込みによる誤った報道なども指摘し、それらを鵜呑みにすることに警鐘を鳴らしている。単語ひとつとってもその背景にあるニュアンスは外国人と日本人では異なる。
このことは日本人が「日本教徒」のフィルターを通して海外の書籍や情報を日本語になおすこと自体内容が正確に伝わらないことを言おうとしていると住人は理解している。


 本文が書かれた約30年前までの筆者の見た「日本人」というのはやはりキリスト教社会やイスラム教社会、マルクス主義など世界の宗教、体制にいるヒトとまったく異質な、日本列島に限局する人類のようです。
だとすれば日本人が正しいと考えても世界で通じる保証もなく、軋轢が生じる可能性が大きいといえます。
以下住人の思いですが、

 日本人はひょっとしてまだ鎖国してるのではないでしょうか。仮に自国の中でみんな平和に、機会・結果の平等が実現しても、他国から武力でなくても経済的に攻め込まれたら・・・など毛頭を考えていない。というかあえて目をそむけているような気がします。学校で、「人間同士話せばわかりあえる」と教えられ、他国に比べ不自由なく育てられ、ある意味平和ボケしている子供たちが外国人に立ち向かえるのでしょうか?今元寇が起こったら、黒船が来航したらどうするのでしょう。もっと日本人は賢くならなければ他国の思うツボのような気がします。
一方、「日本人が変わった」というのはひょっとして日本人同士でも分かり合えないような社会になっているのかもしれません。そういう意味では日本人は昔の日本人をやめて、欧米化しているのかもしれません。

日本人とユダヤ人


タグ:日本人
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