むし歯予防デー [歯の話]
この時期(むし歯予防デー)になるとマスコミなどで、歯のことが取り上げられることが多くなります。むし歯は依然として国民的な感染症です。
皆さんに ご自身の歯や健康に関して関心を持っていただくことは大変よいことだと思います。
むし歯が減ることは、皆さんの幸福につながることはもちろん、国民医療費の削減につながるからです。
そんな歯の話題でマスコミでは「歯は削るべきか、削らないべきか」などといった治療に関しての議論で盛り上がることがあります。
こういう話題も良いですが、これは病気になった後の治療法に関する議論です。これではいつまでたってもむし歯はなくなりません。
法隆寺上御堂
糖尿病に例えて考えてみましょう。
(糖尿病も病型があり、不幸にも遺伝的な要因が強くて糖尿病になる方もおられますので、一概には言えませんが)糖尿病は生活習慣病であり、糖尿病にならないよう、予備軍になったらさらに悪化しないような生活習慣を身につけることが大切なのは皆さんも良くご承知のことと思います。
糖尿病になってから、どの治療をどうするかいろいろ考えるより、まず糖尿病にならないことが大切です。
このことに関しては お医者さんの皆さんへ対する指導がうまいからか、国民の皆さんもよくご存知です。
朝に夕に 住人の自宅の周りでは、ご夫婦やお友達と熱心にウオーキングやジョギングをなさっています。
みなさんご自身の健康管理に熱心なことがうかがえます。
一方歯科は、どうでしょう。
ここ何十年も国民への啓発法は変わっていません。
「甘いものを食べないようにしましょう」「食事がすんだら歯磨きを」
この啓発運動がうまく行っているのなら、もうむし歯や歯周病は激減しているはずです。
うまく行っていない理由は
・皆さんにうまく伝わってなくて、予防の重要性が理解されていない。
・理解されているが、実行されていない。
・実行されているが、できていない。
のどれかです。
歯科医の説明に問題があるのでしょうが、もうそろそろ国民の皆さんも考え方を変えた方がよいと思います。
病気になった後の治療法をいろいろ考えるより、まずは子供の時から、むし歯にならないことです。
むし歯にならなければ医療費もかかりません。現在の医療制度では「病気にかからないと(むし歯にならないと)健康保険は適応されない」という問題点がありますので、ここは政治を動かして、予防でも健康保険が使えるようにする必要があります。
現時点では自由診療ですが、むし歯や歯周病になるまえに来院されて、お口のメインテナンス(PMTC)を希望されて来院される方が少しずつではありますが増えています。
むし歯が減らない本当の理由は国民の皆さんが歯へ関心度(思い)が他国に比べて低いからかもしれません。(日本も「キス」する風習が定着すればむし歯は劇的に減るかもしれません。)
「いかにむし歯にならないようにするか」つまり、むし歯にならないことにエネルギーとコストを注ぐ方がよいと思いませんか。
参考HP
>>>悪くなったらまた来ます。 http://onoki.blog.so-net.ne.jp/2008-01-16
>>>フロス(糸楊枝)or ダイ(死)-定期健診でバイオフィルムの除去を http://onoki.blog.so-net.ne.jp/2008-05-10
>>>セルフケアとプロフェッショナルケアでしっかり予防 http://onoki.blog.so-net.ne.jp/2008-12-03
>>>むし歯、削るべきか削らざるべきか? http://onoki.blog.so-net.ne.jp/2008-11-12
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