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小児肝移植技術海外に 九州大 [優れもの]

2018年1月12日 (金) 西日本新聞 配信


 九州大と国際医療NPO法人「ジャパンハート」(東京)が、海外支援を目的として3月にミャンマーの子どもにドナー(親)からの生体肝移植手術を行う。一緒に来日する同国の医師団に手術を公開し、ミャンマーでの子どもの生体肝移植実現に向けて医療技術を指導する。九州大病院(福岡市東区)が海外への技術移転のために臓器移植を行うのは初めて。

 ミャンマーでは医療設備などの遅れから、肝臓病が心臓病やがんと並ぶ子どもの死因の一つになっている。2004年から同国に拠点を設け、医療支援を続けるジャパンハートの吉岡秀人最高顧問によると、同国で肝移植のほかに治療法がない18歳以下の子どもは年間250人いるとみられるが、国内では手術を受けられないまま大半が命を落としている。

 ジャパンハートがミャンマーでの肝臓病治療を日本の学会などに呼び掛けたところ、小児肝移植で実績のある九大が応じたという。両者はミャンマー政府の要請を受け、16年から現地で肝臓病の子どもの支援に当たり、九大は既に2度の医師団派遣で、計22件の肝臓・胆道の手術を行った。

 3月の九大病院での移植には、小児外科医や成人の外科医ら総勢13人のチームで当たる。同大大学院の田口智章教授(小児外科)は「肝移植を成功させることで、ミャンマー国内で子どもの肝臓病への関心を高め、早期発見にもつなげたい」と話す。

 吉岡最高顧問は「命を救う目標に向かって、一丸となって動くジャパンクオリティーの医療を伝えたい」と期待を込める。ミャンマーでの初めてとなる子どもへの生体肝移植は、年内にも実施見込みという。

 九大病院で手術を受ける0~3歳の患者は2月にも決まり、現地医師団11人と術後のケアも含めて約40日間滞在する。渡航費と滞在費はジャパンハート、手術費や薬代は九大が各約300万円を負担する。

タグ:九州大病院
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