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歯科治療のX線(レントゲン)撮影の重要性 [歯の話]

歯の治療で、X線撮影ほど客観的で、鮮明な情報を提供してくれる検査法はありません。

虫歯の状態、歯の周囲の骨(歯周病)の状態、歯の根っこの先端の状態。すべて外側からは見えないところだからです。一般的な歯科のレントゲン撮影には大きく分けて、パノラマ撮影という大きな1枚で、上下のすべて歯が写る撮影法と小さな(デンタル)レントゲンフィルムを口の中に入れて、必要な枚数撮影する方法があります。

パノラマ撮影は患者さんの負担が少なく、全体的に歯の状態を診査したり、顎の骨や上顎洞(副鼻腔)を診査するのに適していますが、細部の正確な再現性はやや劣ります。デンタルは口の中に入れて撮影するので、撮影時に患者さんは多少違和感がありますが、精密な画像が得られますので診断には大変有効です。


パノラマ撮影


規格性があり美しいレントゲンほど情報量が多く、患者さんにとってメリットとなりますが、そのような画像を提供するには実は大変な技術と努力とコストが必要なのです。現像液はこまめに交換したほうが診断に有効な画像が得られますが、保険では何の制約もありませんので、経費削減を優先させる歯科医院であれば、薄くて何が写っているかわからないような画像になります。まじめな歯医者さんは「1週間に一度」などきちっと現像液を交換して、正確に位置づけされた、傷ひとつないきれいな画像を貴方に見せてくれることでしょう。

また、レントゲンは撮影時の位置づけや現像時の条件が変化すれば、たとえ同じ日に撮影してもまったく違った見え方をします。専門誌でも、治療前後の画像で(「意図的?」と思えるほど)レントゲン画像の濃さや位置づけが異なっているレントゲンで、「治った」と断言する先生もいますが、これなどは事実をゆがめているかもしれないのです。レントゲンはその先生の性格や良心までも映し出す恐ろしいものです。
住人は学会や勉強会などで他の病院のレントゲンをみる機会がありますが、レントゲンを見ればその病院の実力が大体把握できます。でも実は、これは視覚的で、感覚的なものなので、素人の皆さんでも「まじめな歯医者さん」を見つける比較的簡単な方法だと思います。(レントゲンを見せてもらえなければ判りませんが、撮影したレントゲンは必ず見せてもらいましょう。)

 あなたが通ってらっしゃる病院が、素人のあなたにも理解できるような画像で丁寧に説明してくださったら、まずその歯科は信用してよいでしょう。
最近は院内のIT化が進んで、画像を大きく写して説明してくれる診療所も増えてきました。最初だけでなく、結果のレントゲンを見せて、自分のおこなった治療の結果の良否まで説明してくれる歯医者さんは「かかりつけの歯医者さん」として信用してよいでしょう。根っこの(神経)治療をした後で、確認のレントゲンを撮影した場合は必ずその状態について説明してもらいましょう。かかりつけの歯医者さんで、ご自分の過去からの経過をきちっと規格性を持って保存してくださり、パラパラ漫画のように説明してくださる先生はすばらしい先生だと思います。

最後に参考までに申し上げますが、歯の検査のためのX線撮影程度ではX線による障害は起こりません。我が家でも防護エプロンをしていただいておりますが、エプロンをつけなくても問題はありません。(鹿島 勇、関野 政則 著 「先生、歯のX線検査ってだいじょうぶ?」砂書房)

皆さんがよい歯医者さんにめぐり合えることをお祈りいたしております。


※当ブログに掲載しております画像は患者さんの承諾を得た上で掲載いたしております。


先生、歯のX線検査ってだいじょうぶ?


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