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インプラント 1 [歯の話]

 インプラントという言葉は近年一般的になっており、多くの方がご存知だと思います。住人も開業前より約20年インプラントに取り組んできました。ではインプラントは今までの歯科の治療法とどう違うのでしょう。
インプラント治療にもメリットとデメリットがあります。>>>インプラントとは

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 インプラントは歯を失ったときにその失った歯の機能を回復するための治療法です。
今まではどうしていたかというと歯を失うと 「ブリッジ」や「入れ歯」で、歯のない部分を補っていました。
このことを「サッカーのゲーム」にたとえてみましょう。
最初11人で対戦していましたが、ゲーム中に「レッドカード」で、二人が退場になりました。それでもがんばって9人がゲームを続行します。でも残された9人は以前より確実に負担が増えて疲労してしまいます。これでは時間が経過するほど、チーム全体が厳しい状況に追いこまれます。
この状態が今までの「ブリッジ」や「入れ歯」です。
つまり今までは歯を抜くと、間違いなく残った歯は負担が増え、確実に歯の寿命が縮まる治療法しかなかったのです。そしてその繰り返しによって徐々に残っている歯の本数が減ってゆき、ますます残っている歯の条件が悪化して、やがて総義歯へとなっていました。
 一方「インプラント」は
選手交代にたとえることができます。
疲労して動けなくなった選手に代わって「いきのいい選手」を入れると、残っている選手の負担は増えないどころか場合によっては軽減されるかもしれません。
同様に、歯を抜いたところにインプラントを埋入することで、他のご自分の歯の延命効果が期待できるのがインプラント治療の最大の利点です。
場合によっては重度のトラブルに見舞われている歯を無理して残すよりも抜歯してインプラントにしたほうが全体的には歯が長持ちするかもしれません。

そこで、歯科医にとっても患者さんにとってもやや哲学的な問題が生じます。「じゃあ、少々悪い歯は全部抜いてインプラントにすればいいじゃん・・・」という考え方がでてくるからです。
歯科医の中にも安易に患者さんの歯を抜歯してインプラントを勧める歯科医もいるのです。そして時間をかけて、難しい治療をしてご自分の歯を残こすよりも、さっさと悪いものは抜いてインプラントを希望される患者さんもいるかも知れません。
 これは価値観の問題ですが、住人は「インプラントはあくまでも人工臓器であり、天然の患者さんの歯を残すことにこだわりたい。そしてどうしてもだめならインプラント」というスタンスを取っています。なぜなら、「悪いものはさっさと切って新しいものに乗り換える」という考えはどうしても住人の考えになじみません。患者さんが望めば別ですが・・・
住人自身は費用や外科処置の問題がクリアーできればとてもよい治療法だと考えます。もし自分が歯を抜いたとしたらその後はインプラントにすると思います。しかし、入れ歯やブリッジでよいとお考えの患者さんに無理してまでお勧めはしません。くれぐれも理解しておいて欲しいのは医療に成功率100%という方法はありません。それぞれの治療法のメリットとデメリットを理解したうえで、インフォームド・チョイスしてください。

つづく
 

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